【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】サンパウロ州で州民の三五%が強盗被害の経験があり、そのうち三人に一人は警察に届出をしていない。エスタード紙とIBOPEが共同でサンパウロ州九十六市で二十四日から二十六日の二日間にかけて意識調査を行った結果によるもの。
それによると、性別ではか弱き女性の被害が多いと思いがちだが、男性が四〇%、女性が三一%で、男性の被害が多い。また、被害のあった場所は路上が六六%と圧倒的で、うかうか街を歩いていられない様相となっている。車の信号待ちでの被害と、家宅に侵入されての被害がともに一八%ずつだった。このほか勤務先が一五%、その他が二%の結果となった。
地域別では、サンパウロ市の五〇%、大サンパウロ市圏の四二%、サンパウロ州奥地の二四%の住民が被害にあっており、泥棒にとってはサンパウロ市内が稼ぎ場所となっている。さらにサンパウロ州では車の盗難が一六%、電撃誘拐が二%となっている。知人や親戚で強盗などの被害にあった人がいるかとの問いには、六六%が強盗、二一%が電撃誘拐、五九%が車の盗難と答え、被害の話は聞いたことがないとしたのは二〇%だった。つまり一〇人に二人に過ぎなかった。
警察への被害届は、警察の信用度が低いことであきらめムードが高いことを証明している。とくに十六歳から二十四歳までの若い世代の四一%は被害届を出していない。盗品が戻るわけがないと決めてかかっており、煩わしい手続きとともに犯罪者にかかわりたくないのが理由。貧困層にとくにこの傾向が強く、最賃一カ月分以下の所有層の四〇%は警察に頼らないとしている。最賃十カ月以上の富裕層ではこの傾向はわずか一〇%。出された被害届のうち七三%が、富裕層が占めていることで実証されている。
サンパウロ州治安当局によると、今年六月までの上半期での被害届は一二〇万二八六九件に上り、そのうち悪質な犯罪とされた一五万一一六九件のみが捜査の対象となった。ほぼ九〇%の犯罪が放置されていることになり、市民の警察不信を裏付けている。
3人に1人が強盗被害=路上と男性に多く=警察不信で出ない被害届=サンパウロ州
2006年8月30日付け