【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】ルーラ大統領は二十九日に次期政権の施政方針と優先行動計画を発表する予定で、その中では、前回の大統領選挙(二〇〇二年)前に打ち出された、年率七%の経済成長や一〇〇〇万人の雇用創出など、具体的な数値目標には触れない見込みとなっている。
エスタード紙が事前に入手した情報によると、施政方針は、一、社会からの除外者と貧困の撲滅、二、成長政策の継続、三、教育の質的・量的改善に向けた投資、四、民主主義の浸透、五、国際社会への主体的参加、六、治安の保障、の六つの基本方針からなる。
経済政策分野の優先行動計画には、「最低賃金のインフレ率を上回る調整の継続と正規雇用増加の促進」、「公共部門の債務の対GDP比引き下げ」、「金利低下を加速させ、発展途上国平均に近づける」、「現在の成長を継続するために二五%を超える投資を行う」とあり、基本的に現行の政策を踏襲したもので、債務償還のため財政のプライマリー黒字をGDPの四・二五%に維持する方針にも変更はないとみられる。
政治面では、「汚職の予防策を優先し、特に政治の透明性と社会のコントロールを高め、監査システムを強化する」、「会計の運営と資金移動に対する監視体制を完成させる」となっており、現政権下で発生した汚職問題に直接触れないよう図られている。
経済政策では数値目標が挙げられていないが、教育面は例外で、現在GDPの四・五%を占める教育部門への投資を六%台まで大幅に引き上げるとしている。
次期政権の施政方針発表へ=具体的数値目標には触れず
2006年8月30日付け