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選挙運動で裏帳簿を使用=「右にならえ」とクエルシア氏

2006年8月31日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】元サンパウロ州知事で、現在同州知事に立候補しているクエルシア氏(ブラジル民主運動党=PMDB)は二十九日、フォーリャ紙の開催した討論会に出席し、自身が選挙資金を選挙裁判所に登録せず、裏帳簿から捻出していたことを明らかにした。
 選挙法違反を認めた同氏は、どの選挙で裏帳簿を使ったのかとの質問に対し、「(一九六三年以降の)すべての選挙だ。誰もが使っている。誰も登録しないから、自分もしなかった。どの政治家もどの党も登録していない。しかし、それは誤りだった。今回の選挙では裏帳簿を使っていないことを誓う」と答えた。
 二〇〇二年の大統領選挙でルーラ候補(労働者党=PT)を支持した同氏はまた、「ルーラ大統領は、政府や自党内で行われた裏金による議員買収などの汚職を知らぬ存ぜぬで済ませる立場にはない。だが、世論は知らなかったと思っている」と述べ、大統領が汚職を認識していたはずとの考えを示した。
 知事選の対立候補であるセーラ氏(ブラジル民主社会党=PSDB)について同氏は、「知事だったとしても、大統領選への出馬を考えていただろう。頭の中は大統領になることばかり。それはひどい」として、メルカダンテ氏(PT)と自分を含む三人の中で最も知事としての資質に欠けると評価した。さらに、犯罪組織をのさばらせたと、十二年間に渡るPSDBの施政を批判した。
 サンパウロ州立銀行を「破産」に追い込んだ張本人との批判には、同行はブラジル銀行より経営状態が良好だったと、民営化を強行したPSDBの責任と弁解し、中絶と死刑に反対、義務投票と大学入学の黒人割り当てには賛成の立場を明らかにした。