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VW労組がストを解除=解雇の白紙撤回受け=再交渉は今月末までに結論

2006年9月6日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】自動車の大手メーカーのフォルクスワーゲンは四日、解雇通告書を白紙撤回した。それを受けた労組はストを解除し、同日午後から操業を再開した。
 経営不振で合理化を模索してきた同社は、二〇〇八年までに三六〇〇人を解雇することを決めて労組と交渉を進めてきたが合意に至らず、一方的に二十九日付けで一八〇〇人に対して解雇通告書を送付した。労組はこれに反発、同日からストを決行した。
 主力工場であるサンベルナルド・ド・カンポ市のアンシェタ工場の従業員一万二四〇〇人は操業を停止した。しかし会社側は再交渉を表明し、解雇通知を撤回、労組代表を招集して話合いの場をつくることを通告したことで、労組側もこれを了承した上でスト解除を決定した。
 会社側では労使が合意に達したため、ドイツ本社に再建案を提出して工場への再投資を申し入れたい意向で、労使交渉の結論を今月半ばまでに出したいとの意向を示している。
 そもそも同社が一方的な解雇に踏み切ったのは、社会経済開発銀行(BNDES)が、労使が再建策の合意に至らなかったことを理由に融資を見送ったのが直接の原因となった。会社側は今回の交渉再開で銀行のつなぎ融資に希望を託している。
 いっぽうで労組側は交渉に応じるものの従来の主張は曲げないとの強硬姿勢を貫いている。これまでの交渉では、会社側が解雇者を指名し、退職金などで優遇処置を与えるとしたのに対し、労組側は希望退職者を募るとして平行線をたどってきた。
 一週間に及ぶマンモス工場のストだけに被害は甚大だった。アンシェタ工場では六〇〇〇台の自家用車の生産がストップした。このほか、エンジンを供給しているタウバテ工場(サンパウロ州)とサン・ジョセ・ドス・ピニァイス工場(パラナ州)でも減産を余儀なくされた。同社以外でも下請けが被害にあった。
 同社にライトを納入しているアルテビ社は、一二〇〇人の従業員の半数を十八日から二十七日まで集団休暇とし、一部レイオフを決めた。ブレーキなどのメーカーのボッシュは残業をカットして操短を余儀なくされた。