【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】下院は五日の国会で、公務員の昇給を賛成多数で決議した。上院に回されて最終決議となるが、選挙前のお手盛案とされており、すんなり承認されるとみられている。選挙前の最後の決議ということもあり、下院では駆け足承認の感があった。これにより十一万人以上の公務員が昇給の恩恵にあずかり、公務員天国を満喫することになる。
今回の昇給の対象は法務省、検察庁、国庫庁の公務員で、最低一五%の調整となり、二〇〇八年までの国庫負担は五二億レアルに上がる。政府としては二年間に及ぶ調整にこぎつけるのが精一杯だった。もっともインパクトが大きいのが十万人の職員を抱える法務省で、国家司法審議会のメンバーは、閣僚と同額の二万三二七五レアルとなった。
今回の昇給は最高裁の提案によるもので、基本給のほかに手当てが盛り込まれたのが特長となっている。手当ては古参職員と新人との格差をなくす名目で四種類が加えられた。能力給、実働手当、出張手当、治安手当などで、能力給は一二・五%増、治安手当は三五%の高率となっている。特別委員会のメンバーになると手当ては外されるが、その代わり基本給の六五%の委員手当が加わる。
支給は昨年七月にさかのぼる。このため法務省の人件費は計り知れないものとなり、国会筋によると、先週国会に提出された来年度予算には、法務省人件費として一〇〇億レアルが計上されたと伝えられている。
検察庁職員も同様で、基本給は一三二五レアルから六九五七レアルになっているが、実働手当が五〇%のほか、能力給などを合わせると手当ては九七・五%にも上り、実質で基本給の倍になる仕組みとなっている。これが委員会のメンバーになると、基本給は二九八四レアルから一万一六八六レアルとなる。国庫庁では一率一五%の昇給で、毎年一億レアルの国庫負担となる。
関係者らは、このような大盤振舞がまかり通っている間は、ルーラ政権がスローガンとしている貧富の格差の縮小はあり得ないと評価している。
公務員の昇給決まる=11万人対象に最低15%=選挙前の駆け足お手盛り案に
2006年9月7日付け