コロニアからも喜びの声=紀子さまご出産=「待ちに待った慶事」=8日に文協で祝賀会
2006年9月7日付け
秋篠宮妃紀子さまが六日午前、第三子となる男子を出産された。皇室としては四十一年ぶりとなる男子誕生に、コロニアからも喜びの声が上がっている。文協など日系団体は、八日に祝賀会を開くことを決定。祝賀記帳もあわせて実施することを決めた。
「待ちに待った慶事」と喜びを表わすのは、ブラジル日本会議の小森廣理事長。本紙の取材に「これで男系天皇が継統される。ブラジル在住日系人として誇りに思う。両手を挙げてお祝いしたい。日系人はもちろん、非日系ブラジル人も喜びを表わしてくれるのではないか」と話した。
四十一年ぶりとなる男子の誕生。父親の秋篠宮殿下は一九八八年、ブラジル日本移民八十周年に出席するためブラジルを訪れている(当時は礼宮文仁親王)。この時が初めてのご外遊だった。
滞在中にはパラナ州ロンドリーナも訪問している。当時連邦下院議員だった上野アントニオ・現パラナ日伯商工会議所会頭は「皇位の継承問題など、遠いブラジルで日本の皇室のことを心配していましたが、今回男の子がお産まれになったのは本当にうれしいこと」とコメントを寄せた。
二年前にパラナ州経済使節団として訪日した際に東宮御所の庭にパイネイラの苗木を植えた思い出を振り返り「特に印象深いです」と語った。
ブラジルからは昨年七月、日本語センターの「ふれあいの旅」で四十人の日本語学校生徒が訪日。その際に赤坂の秋篠宮邸を訪れ、一時間にわたりご一家と直接言葉を交わしているだけに、喜びもひとしおの様子。
旅行に同行した日伯のびる学園の志村宗マルガレッテ園長は、「一度お会いして暖かく迎えていただいたこともあって、何だか身近な方が出産されるようで、生徒も皆応援していました。ご出産のニュースを知って、すごくうれしかったです」と感想を語る。
ブラジルのテレビでも報じられたことから、子供たちも知っており、「とても喜んでいました」。
ご懐妊の時にもメッセージを送ったが、今回も子供たちが祝賀の手紙を送る予定だという。
ご出産のニュースが流れた六日、リベルダーデを訪れた人の声を聞いた。
「大変喜ばしいこと」(70代女性)、また「四十年以上も待ったんだから、そりゃあおめでたい」(60代女性)と男児誕生を喜ぶ声も。
アクリマソン区在住の男性(80代)は「ご満足に産まれてよかった。きっと天皇になられると思います。応援しています」と感想を語った。七十代の男性は「ブラジルにいても日本のことが心配だから。みんなそうなんじゃないかな。正直、おめでたいこと。(皇位継承の問題という)難問も解決してほっとしましたよ」と話していた。
六日付けフォーリャ・オンラインは、「プリンセーザ・キコが日本の皇位継承者を出産」と報道。今回のご出産により日本政府が皇室典範改正を見送る方針であることなども伝えている。
本紙は六日に号外を発行、リベルダーデ区内に張り出した。文協ビルサロンではこの日水曜シネマが開催されることもあり、訪れた人たちが足を止めていた。
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ブラジル日本文化協会など日系諸団体による祝賀会は、八日午前十一時から文協ビル貴賓室で開かれる。約一時間程度。同日会場で祝賀記帳を受付ける。記帳はその後も文協事務局で受付ける予定。
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在サンパウロ日本国総領事館での祝賀記帳は行われない。同館では「ご家族の意向」と説明している。