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予想外のインフレ抑制=8月は0・05%=先進国並み、GDPは3流

2006年9月9日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】八月度のインフレ(広範囲消費者物価指数=IPCA=による)がわずか〇・〇五%となり、予想に反して上昇が抑制されたことで、関係者は年内インフレを三%と下方修正する動きが出ている。予算管理省筋ではこれまでの四・四%から一気に三・二%へと修正した。
 これによりインフレは世界先進国平均の二・三%に及ばないものの、一歩前進し、仲間入りを果たしたとみられている。いっぽうでGDP(国内総生産)成長率は停滞し、同省筋は年内予想をこれまでの三・八%から三・三%へと引き下げた。これによりインフレ率では世界一流国並みとなったが、GDP成長では三流国並に落ち込むという対照的な結果となった。
 この二つの要素から、産業界ではもはや中銀が基本金利(SELIC)を高水準で維持する意味合いがなくなったとして、十月十八日に開かれる次回の通貨政策委員会(COPON)会合で今回と同率の〇・五ポイント引き下げを求める声が強まっている。短急的な金利引き下げが、GDP成長を促すカンフル剤だと指摘している。
 金融市場では八月度のインフレ率は〇・一五%以下にはならないとの見方が大勢を占めたが、いざフタを開けると〇・〇五%にとどまった。八月度では一九九八年のマイナス〇・五一%以来の低率となった。
 インフレ抑制に貢献した主な品目は航空券(マイナス一・九七%)、テレビとオーディオ(一・二三%)、アルコール(〇・八〇%)、新車(〇・六〇%)、固定電話(〇・五四%)、ガソリン(〇・四〇%)などで、逆に値上がりしたのは、食料及び飲料(〇・〇七%)、市内バス(〇・九六%)、州間バス(一・〇二%)、肉類(一・五二%)、米(二・〇三%)、家政婦(二・二六%)などだった。
 リオ連邦大学が国際通貨基金(IMF)の統計に基づいて世界各国と比較したところ、ブラジルは年内予想三・二%で、低インフレ国の八位にランクされた。トップは年率〇・三%の日本で、以下順にフランス(一・七%)、ドイツ(一・八%)、中国(二・〇%)、韓国(二・五%)イタリアおよびペルー(二・七%)だった。
 ブラジル以下では、ボリビアおよびスペイン(三・四%)、米国およびメキシコ(三・五%)、チリ(三・八%)、南アフリカ(四・五%)、インド(四・八%)、ウルグアイ(五・五%)、トルコ(六・五%)、ベネズェラ(一一・七%)、アルゼンチン(一二・九%)、インドネシア(一四・二%)となっている。