2006年9月9日付け
秋篠宮妃紀子さまのご出産を祝う、文協など日系三十二団体共催による「皇孫殿下誕生祝賀会」が八日午前十一時から、文協ビル貴賓室で開かれた。西林万寿夫サンパウロ総領事、共催団体代表者、一般の出席者を含め百人以上が会場を訪れ、皇室の慶事を祝った。会場では祝賀記帳も行われ、この日だけで九十五人が記帳した。
この日、会場の文協貴賓室では、天皇皇后両陛下の肖像画が開帳された。サンパウロ市だけでなく、スザノなど近郊都市からも出席。NHKも取材に訪れていた。
ブラジル、日本両国歌斉唱の後、共催団体を代表して上原幸啓文協会長があいさつ。上原会長は、皇室で四十一年ぶりとなる男子の誕生に「国民にとって大きな精神的支え。親王の健やかな成長をお祈りします」と祝意を表わすとともに「当地日系人すべてからお祝いの気持ちをお伝えしたい」と述べた。
「この(ご出産の)うれしいニュースを皆さんと分かち合えることを嬉しく思います。親王の健やかな成長と皇室のご発展をお祈りします」と話す西林総領事。これまで四度にわたり公務で秋篠宮殿下に会ったエピソードを紹介し、「一九八八年に(移民八十周年で)来伯された時は独身でしたが、機会を見てぜひ紀子さまとともにブラジルへお越しいただきたい」とあいさつした。
昭和天皇のいとこにあたる多羅間俊彦・東京都友会名誉会長もマイクを持ち、「昨年から日本を包んでいたうす曇りの中に、少し太陽の光が差し込んだというのが、一般の人たちの感じだと思う」と、ご出産の慶事に喜びを表わした。皇位継承権に関する皇室典範の改正問題にも触れ、「昨年のような待ったなしの改正ではなく、十分時間をかけられる気分的なゆとりがある」としながら、「新しい親王の健やかな成長をお祈りします。天皇陛下もお喜びのことと思います。お祝いの言葉を申し上げたい」と述べた。
和井武一サンパウロ日伯援護協会名誉会長の発声で万歳三唱。小森廣ブラジル日本会議理事長の音頭で乾杯後、用意された軽食を囲み懇談した。
会場を訪れた国井精・山形県人会副会長(70)は、一九八二年に訪日した際、皇居を参観した思い出を「今も心に残っています」と振り返り、「一日系人として喜んでおります」と語った。
「本当は日本に行きたいくらい」と喜びを表わすのは、スザノ福博村の大浦文雄さん(81)。「本当にうれしいニュース。素直に、良かったと思います。皇室典範の問題はあちらにまかせておくこと。四十一年ぶりの男子誕生を素直に喜びたい」と話していた。
この日は百人以上が訪れた。会場では祝賀記帳も行われ、この日だけで九十五人が記帳した。
なお、祝賀記帳は十三日まで、文協事務局で受付けている。