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MSTが侵入活動を自粛=ルーラ氏の足は引っ張らない

2006年9月13日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】選挙戦を有利に進める現職大統領のルーラ氏の足を引っ張らないよう、農地占拠運動(MST)が全国で農地への侵入を手控えている。
 全国二十一州で展開したMSTの侵入は、今年一月から四月まで増加の一途をたどり、四カ月間の合計は一三四件に上った。しかし、選挙戦が本格化し始めた五月以降侵入は急減、八月までの四カ月間は十一州四六件でしか記録されなかった。
 侵入を始め、リオ・グランデ・ド・スル州の花の研究所で起こった大規模な破壊活動や道路封鎖、料金所の占拠など過激な活動もなりを潜めた。今月六日にサンパウロ州農地研究所本部に二百人のMSTメンバーらが侵入した時には、何も破壊するなとリーダーは命じたという。
 最も活動が盛んだったサンパウロ州ポンタル・ド・パラナパネマ市では、四カ月前から活動が停止しており、リーダーの一人は労働者党(PT)の各候補者への投票呼びかけに奔走し、侵入活動については選挙終了まで棚上げたとし、別のリーダーは「ルーラ氏が有利だから大人しくしている。アウキミン氏がリードしていたなら、大暴れしていた」とコメントした。
 MST全国執行部のサントス氏は選挙の年で交渉相手がいないために活動を控えており、選挙運動開始まで侵入を前倒ししたと述べ、投票相手をメンバーに強制せず、立候補する場合でもMSTを代表しないことを条件付けていると付け加えた。しかし、ほとんどのメンバーはルーラ氏に投票するだろうとみている。