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惨状示すGDP成長率=他国との差大きく=25年間の年平均2・4%=インフレはやっと退治

2006年9月15日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】インフレが三%台近くになって先進国への仲間入りも間近となり、ブラジルが長年悩まされてきた問題が解決した中、いっぽうで鈍化した経済成長は三流国並みという不名誉な烙印をおされる破目となった。国の経済の指針となるGDP(国内総生産、ブラジルではPIB)は、今年上半期で二・七%の成長に終わり、年内は三%に近い数字に下方修正された。政府の当初目標は四・五%だった。一般にはなじみの薄いGDPに関連して、国内における推移と現状を統計数字で追ってみた。
 二〇〇五年までの過去二十五年間にブラジルのGDP成長は一・七倍どまりで、年平均二・四%の低率となった。〇五年は二・三%で、ラテン・アメリカ圏内ではハイチに続くワースト二位の惨状だった。中国は十倍、韓国は五倍、インドは四倍、チリは三倍と大きく水をあけられている。
 過去十年間の推移を見ると、三%以上の成長を遂げたのは一九九七年(三・二七%)、二〇〇〇年(四・三六%)、〇四年(四・九四%)の三年間のみで、残りは九六年(二・六六%)、九八年(〇・一三%)、九九年(〇・七九%)、〇一年(一・三一%)、〇二年(一・九三%)、〇三年(〇・五四%)となっている。
 国民一人当りの平均所得の八〇年と〇六年との比較では、ブラジルは下から四位の上昇率となった。(一〇〇%以上の上昇国)。ブラジルは八〇年が三六九八ドルで、〇六年は八八二六ドル、上昇率は一三九%だった。上昇率のトップは中国でそれぞれ四二〇ドルから六七六一ドルで一五一〇%だった。金額ではアルゼンチン(六四七六ドルから一万三八一三ドル)とチリ(二七一〇ドルから一万二二五四ドル)が大幅上昇を見せた。
 国民総所得(税込み)での位置づけでは、ブラジルは十四位にランクされている。トップはアメリカで以下順に、日本、ドイツ、中国、英国、フランス、イタリア、スペイン、カナダ、インドとなっている。
 いっぽう、生産性では世界で二十二位となっている。ブラジルの工業部門は、一三万八九六二社、売上げ一兆八〇〇億レアルとなっている。失業率は今年が一〇・七%で、過去四年間は一一・九%、一二・八%、一一・二%、九・四%で推移した。
 国民一人当りのGDPは二〇〇五年に四・四七九ドルで、ロシア(五〇五八ドル)、中国(一六九五ドル)、インド(七二二ドル)となり、〇六年のインフレ予想はブラジル(三%)、中国(二%)、インド(五・五%)、ロシア(八・八%)となっている。
 外債の対GDP比率は二〇・二%で、中国(一一・三%)、インド(一七・五%)ロシア(三二%)とほぼ同水準となっている。経済動向の鍵となる基本金利は年利一四・二五%で、九九年以来、最低となっている。しかし実質金利は年利九・四%、依然として世界トップで、世界平均の二・二%および開発途上国の四・三%に大きく水をあけている。
 二〇〇五年の輸出は一一八三億ドルで、輸入は七三五億五〇〇〇万ドルだった。主な輸出品は順に鉄鉱石、大豆、石油製品、鶏肉、航空機で輸入品は原油、電子部品、自動車部品、通信部品、医療品だった。