【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】ブラジル人女性で初めてとなる、ヨットでの大西洋単独横断の快挙を成し遂げた冒険家が喝采を浴びている。日本の冒険家ヨットマンが「太平洋ひとりぼっち」で勇名をはせたが、さしづめ「大西洋ひとりぼっち」のブラジル版というところか。
この女性はイザベル・ピメンテルさん(40)で、ポルトガルのリスボンを出発し、セアラ州フォルタレーザ市までの六四〇〇キロを四十二日間かけて横断した。ヨットを購入したフランスからリスボンまでの航海を合わせると延べ八一〇〇キロに及ぶ。
そもそもピメンテルさんが冒険を思い立ったのは、来年九月に予定されているヨットの大西洋横断レースに参加を決めたことにある。このレースはフランスのラ・ロシェレ港からブラジルのサルバドール港(バイア州)までの七〇〇〇キロを競うもので、ミニ・トランサト2007と名付けられている。ピメンテルさんはこれに先立ち、今回の大西洋横断を実行した。
ヨットはフランス製で全長六・五メートル、幅二・七五メートル、キャビンの高さ一・五五メートル。航海は時化と強風の連続と、船の舵の故障というアクシデントに見舞われ、予定よりさらに一カ月を要した。
ヨットは六月十七日にフランスを出発、二十七日にリスボンに到着した。横断の出発点のリスボンを七月十日に出航、七月二十三日にカーボ・ヴェルディに寄港した後、八月二十一日にフォルタレーザ港に到着した。
当初予定していたルートはフェルナンド・デ・ノローニャ島とサンタ・クルス・デ・カブラリア港を経由しリオ港に到着するものだったが、舵の故障で操縦が思うにまかせず、不本意ながらフォルタレーザ港に漂いついたという。
ピメンテルさんは、リスボン市でデータ管理の高給サラリーマンだったが、冒険のために退職、バイア州のリゾートホテルチェーンのスポンサーを得て順風満帆の航海に出た。航海は思ったより難行だったが、「素晴らしい体験だった」と振り返る。灼熱の太陽と潮風で、毎日陽焼けクリームなどで肌の手入れを欠かさなかったとして、女性らしさをアピールした。
伯版「大西洋ひとりぼっち」=女性冒険家、単独横断に成功
2006年9月15日付け