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ブラジル野球=北京オリンピック出場ならず=米大陸大会キューバで開催で敗退=12カ国参加、予選リーグ1勝4敗=打撃陣健闘、いい評価

2006年9月16日付け

 二〇〇八年に開催される北京オリンピックの出場権をかけて、「アメリカ大陸野球大会」が、先月二十五日から五日までキューバのハバナ市で開催された。ブラジル代表チーム(佐藤允禧監督)は予選リーグ、一勝四敗の結果に終わり、オリンピックの出場権の獲得はならなかったが、代表団を派遣したブラジル野球連盟(大塚ジョルジ会長)の関係者は「野球先進国との距離が非常に縮まってきた」と大きな手応えを感じたようだ。
 辻修平監督補佐の報告によれば、今大会は十二カ国が参加。A、Bの二組に分かれて予選リーグが行われ、ブラジルはアメリカ、カナダ、メキシコなどの強豪国と同組。健闘するも予選リーグ敗退に終わった。
 今回は日本から、マガリャンエス(ヤマハ)、宮本(ヤマハ)、佐藤二郎(シダックス)の三人の社会人選手を迎えて充実した布陣。大会一週間前に現地入りし、キューバとパナマと四つの練習試合をおこない、大会に臨んだ。
 初戦のメキシコ戦。先発のピッチャー松本の好投で、有利に試合に試合を進めるも、一対二で惜敗。
 メジャー経験者、2A、3Aの若手主体のアメリカとの第二戦では、必死の攻めを展開した。延長十回、七対七の場面で痛恨のサヨナラホームランを浴び、惜しい負け。
 予選リーグ突破の望みをかけて、勝ちが条件となったプエルトリコとの第三戦。四対〇と引き離し「楽勝ムード」のブラジルだったが、投手陣が突如大崩れ。後半追い上げたが、六対十で大事な試合を落とした。
 第四戦は、昨年サンパウロで開催された南米大会で勝っているベネズエラ。九回表、四対五の劣勢場面で集中安打。一挙六点をあげ「執念の大逆転」勝利をもぎとり、予選リーグ突破に望みをつないだ。
 最終戦は同じく決勝トーナメント出場がかかるカナダ。立ち上がりコントロールが定まらない連投の松本が攻められ、スリーランなどを浴びて立ち上がりに四点を失う苦しい展開。必死の反撃も三点に留まり、三対七で負け、ブラジルの「オリンピック出場の夢」は潰(つい)えた。
 今大会現地のメディアはブラジルチームの健闘を高く評価。「ブラジル侮れず」と連日結果を報道したという。大会のチーム打率も二割六分四里と今までの国際大会で最高記録。ホームランも九本を記録し、キューバ、アメリカについで三位。若手を中心とした投手陣が経験不足から力を発揮できなかったが、「野球先進国との距離は大分縮まってきた」と関係者は手応えを感じたようだ。
 ブラジル野球連盟が主宰するサンパウロ州イビウーナ市の野球アカデミーからは、日本の高校や大学、社会人、プロ野球などのほか、アメリカのマイナーリーグにも選手が送られており、ブラジル野球のレベルは年々上がっている。