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家庭生活の実態明らかに=上下水道より電話が大事=所得減少、児童労働は増加

2006年9月19日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】二〇〇五年までの三年間のルーラ政権で、驚くべきまでに家庭生活の浮き沈みが激しい実態が明らかとなった。マイナス面では異常に増加した児童労働と、労働者所得の減少にある。五歳から十四歳の児童労働者はこの年代の総人口の一〇・三%に相当する二五〇万人となっており、社会問題になっている。
 労働所得は一九九二年以来の低水準に落ち入り、三年間の平均所得は七八一レアルとなった。カルドーゾ前政権の八年間における平均が八九八レアルだったことから、実に一三%の落ち込みとなった。反面、プラス面として貧富の格差の是正と雇用拡大がある。さらに教育面でも過去十年間で最高の改善がみられた。教育年数の伸長と文盲の減少で、それぞれ一四・七%と一〇・二%となった。
 ブラジル地理統計院が毎年行う家庭生活の実態調査をとりまとめ、国内の社会経済指標となっているもので、ルーラ政権では文化や教育面では改善がみられるものの、実生活の消費面では苦しい実態となっている。
 さらに調査では家庭の電話保有率が七一・六%に上がり、上下水道の完備率六九・七%を上回り、文明上位時代を裏付けた。この中で二〇〇五年は初めて携帯電話保有台数が固定電話を上回った。携帯電話のみを所有する世帯が一二三〇万世帯で、固定電話のみの六五〇万世帯の倍となった。上水道完備は八二・三%、電力は九七・二%、ゴミ清掃回収は八五・八%だった。
 雇用の増加は女性の就労が要因となっており、このため家族収入が増えて貧富の格差の是正につながった。しかし地域差があり、サンパウロ州では依然として大きく、マラニョン州では縮小された。
 文盲率は一〇・二%になったものの、ルーラ政権の三年間でわずか〇・五%減少したのみで改善は鈍足となっている。在学年数は全体的に増加したものの、いまだに三八〇〇万人が学歴四年以下となっている。
 インターネットの普及はすさまじく、人口の二一%に相当する三八七〇万人がアクセスした経験をもつ。しかし自宅にインターネットを保有するのは一八%で、仕事先や学校、友人宅での使用が多い。年代では十歳から十四歳までが二四・四%、十五歳から一七歳までが三三・九%、六十歳以上になると三・三%と急減している。