【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】七月度の商店の売上げが前月比〇・四五%の落ち込みとなったことで、プラス成長を見込んでいた業界アナリストらの予想は裏切られた形となった。これにより五月以降、三カ月連続の落ち込みとなり、消費の停滞が浮彫りにされた。
ブラジル地理統計院(IBGE)が十九日に発表したもので、昨年同月比では二・三%上昇したものの、二〇〇三年十一月以来最低の上げ幅を記録した。七月の単月でも〇三年以来の最低となった。
IBGEの分析によると、消費の伸び悩みは各家庭の借金が上限状態になっていることで、新規購入にまで手が回らないのが原因だと指摘している。たとえ所得が増加しても、その分は借金返済に充てているのが実情だという。
これまで消費の伸びはハード製品(家具や家電など)に支えられてきたが、この分野も七月度は二カ月連続のマイナス成長となった。七月度は前月比二・六五%のマイナスとなり、昨年同月比二・〇九%増となったものの、六月の前年比三・一三%増、五月の同一五・二四%に比べて大幅減を見せた。
ハード製品の消費はほとんど長期月賦払いのクレジット利用が多いが、このクレジットも上限に達したとみられている。またその名の通りハードで長持ちするため、買い換え周期も長くなっている。とくにテレビなどは六月のサッカーのワールドカップで消費が伸びた反動で、需要が冷めたのが原因。
これによりアナリストらは、ハード製品の今年の伸びは活気を呈する年末商戦により、昨年対比九%増になると予想している。昨年は前年(二〇〇四年)対比一六%の伸びだった。
七月度の各商品の昨年度売上げ対比は、マイナス部門が燃料関係(マイナス一〇・一八%)、衣料品(同五・一%)で、プラスがスーパーや食料飲料およびタバコ(四・九七%)、医療や化粧品(三・二八%)、事務用品や通信機器(二六・九三%)、書籍(二・二七%)、家庭用品(二・五%)、自動車(一五・六九%)、建材(一〇・六二%)となっている。
7月度商店売上げ減少=業界の予想裏切る=借金返済で消費は頭打ち
2006年9月21日付け