【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】ブラジルの高齢者は一九九八年から二〇〇三年までの五年間に平均寿命が伸び、六十八歳近くまで健康的な生活を送っている―。そんな現状が十九日、ミナス・ジェライス州で開催された人口研究会議で明らかにされた。
ミナス・ジェライス州連邦大学の研究者らは、〇三年時点で六十歳の人が今後何年生きるかの予想を男性十九・一年、女性二十二・一年とし、それぞれ九八年の十八・五年、二十一・三年から伸びたと発表した。
一方、ブラジル地理統計院(IBGE)が高齢者を対象に実施した、健康状態に関する聞き取り調査に基づいた研究では、六十歳以降健康な生活を送られる平均年数は、〇三年に男性八・四年、女性八・九年と予想された。男女とも九八年より伸びたが、男性は六十八・四歳以降十・七年間、女性は六十八・九歳以降十三・二年間、健康に問題を抱えての生活となる。
また、過去十二カ月間に医師の診療を受けたと答えた人の割合は、男性が九八年の六五・四%から〇三年には七一・二%、女性は同期間に七七・六%から八三・四%へと上昇した。しかし、これは健康状態が悪化したのではなく、健康保険に加入する高齢者の割合が増え、診療を受ける機会が拡大したためだという。
高齢者の平均寿命の伸長と診療機会の拡大は、低所得高齢者への所得補助プログラムや、九六年に承認された高齢者保健政策の実施などに負うところが大きいと研究者らは指摘している。
高齢者の平均寿命伸びる=68歳まで健康な生活を享受
2006年9月21日付け