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地域と共に育った祭り=ビラ・カロン=オキナワ祭りに8千人=賑わう芸能、郷土料理に舌鼓

2006年9月21日付け

 ブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部主催の「第四回オキナワ祭り」が十六日午後一時から同支部会館前にある広場で開かれた。雨模様の天気にも負けず、約八千人(主催者発表)が来場。ブラジルに生きる沖縄文化に触れた。今年はビラ・カロン支部創立五〇周年という節目の年ということもあり、同県人会ブラジリア、カンポ・グランデ、カンピーナス各支部が貸切りバスで駆けつけ、ウチナーンチュの結束力を見せつけた。地域の住民も多数会場を訪れ、同祭が地元にしっかりと根づきつつあることを感じさせた。
 〃食〃が楽しめることでも人気が高いオキナワ祭り。会場には四十五のブースが出店し、沖縄ソバ、アシテビチ、ヒージャー汁(ヤギ汁)など、沖縄を代表する料理が並んだ。中でも同支部婦人会自慢の沖縄ソバは七百杯を用意、満を持して来場者を迎えた。
 前年の同祭では即時完売だった〃沖縄の味〃ヤギ汁。今年は八頭分が煮込まれ、ブース周辺に漂う独特の匂いで来場者を引き付けた。
 舞台では午後二時頃からラジオ体操、琉球民謡協会による三線の演奏。琉舞や琉球国祭り太鼓、レキオス芸能同好会らが日頃の練習の成果を披露し、観客の視線をステージに集めた。
 会場が盛り上がりを見せたころ、高安宏治支部長が開会のあいさつ。他の支部からの参加を喜ぶとともに、「沖縄の文化・歴史に触れてもらい、みんな一緒に楽しんでもらえれば」と話した。
 当日は午後から小雨混じりの天気。時間が経つにつれて雨足が強まりプログラムが一時中断する場面もあったが、夜になると雨も止み、サンバショーでは地域の子供たちがパンデイロのリズムに合わせて踊る姿が見られた。
 婦人会による盆踊りでは、飛び入り参加も続出。見よう見真似で踊る炭鉱節。日系非日系に関わりなく広がる踊りの輪は、地域に根づいた祭りの姿を感じさせた。
 その後も沖縄空手古武道の演舞や、レキオス芸能同会による獅子舞、エイサー。百人以上からなる勇壮な琉球太鼓を満場の観客が囲んだ。沖縄系バンド「ホキサミヨイ」の民謡も雨の寒さを忘れさせる熱い舞台を見せ、会場から黄色い歓声が送られていた。
 午後九時頃、花火が雨雲の残る夜空に打ち上げられるなか、琉球国祭り太鼓とレキオス芸能同好会合同のカチャーシ演奏に多くの来場者が参加、笑顔溢れる最高のフィナーレを迎えた。
 同祭実行委員長の翁長清実行委員長は、「今日の成功は手伝ってくれた人たちの協力によるもの」と感謝の言葉を述べ、汗をぬぐった。