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ピンガの消費落ち込み続く=起死回生に躍起のメーカー
2006年9月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】ブラジルを代表する酒といえばカシャッサ(ピンガ)で、消費の王座はゆるぎないものだった。しかし十年前から消費が落ち込み、年々二%から三%とカーブを描いていることから、メーカー筋では起死回生に躍起となっている。
このためメーカーが共同でブラジル・カシャッサ院を設立し、品質改良の協同研究や販売対策を練っている。同院の今年の目標は、四万五〇〇〇軒の生産者による七億リットルを販売することにある。十年前は一三億リットルだった。
月間生産は二〇〇四年が三四四〇万リットル、〇五年は三一五〇万リットル、〇六年(予想)は三一四〇万リットルと年々減少傾向にある。市場シェアは、51が三二・三%、ピトゥーが一三・四%、イピオッカが八・八%、タトゥジーニョが七・二%、その他が三九・三%となっている。
カシャッサは安かろう、まずかろうのイメージが強いことから、若い世代に嫌われる傾向にあったが、同院では醸造法を改良して透明度を増し、度数を下げて飲み口を良くしている。販売は輸出に支えられているものの、運送がバルク(タンク)のため外国でビン詰めされており、単にメイド・イン・ブラジルと表記されているのみで、ブランドの知名度は皆無となっている。
同院ではこれを廃止してブランド名入りのビン詰めでの輸出を奨励することにしている。バルクでの輸出は、〇一年は一一二万リットルで販売の二〇%だったのが、〇五年は一一四三万リットルと五〇%にはね上がった。