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◇コラム 樹海

 六〇年代渡航してきたとき、不思議なコロニア語?に出会った。「男女青年会」である。日本ではきかない青年会の呼称だった。女子だって青年だろうから、何も「男女」とことわることもなかろう、というのが初印象だった。要は、男子、女子が一緒の会だということである▼新聞記事に男女をつけて書いているうちに違和感はだんだんなくなった。慣れたのである。近ごろは新聞記事からこの「男女青年会」が消えた。青年層の活動は、「同好者」を中心としたそれに変わり、青年会単位でなくなったともいえる。活動は完全になくなったわけではないが、休止によって、存在が薄れたのである▼活動休止の理由は、例えば奥地の文協なら、若い者が都会に出てしまってとか、デカセギに行ったので、とかである。それが顕著なのは、市内のバイロの文協の男女青年会だ。家族慰安演芸会や運動会、その他の行事の縁の下の力持ち役が少なくなった。青年会の名が演芸会の後援団体や出演者からなくなったのは「演芸会は(年寄りの集まりだから)ダサい」ということもあるのだろうが、最大の理由は、やはり同好会のほうが求心力があるということだろう▼男女青年会の活動が不振なところは、日本語学校も休止しているところが多い。以前は、教師不足がその理由だった。いまは「生徒が少なくなって」である。青年会活動を通じて交際が始まり、結婚に至ったといった話も珍しくなかった。今、青年会での交際機会は減っているようだ。(神)

2006/09/27