コラム
半年ぶりにスザノ福博村を訪ねた。最盛期には百八十人の生徒を数えたという福博小学校。現在は十六人だという。
七十五周年式典の会場に張られた昔の写真。その一枚、一九八〇年のものだったが、そこには今とは比べ物にならない数の子供たちがいた。つい「最近」のことなのに。
「ここ三十年くらいでしょう」と、村出身の老人。国内各地からサンパウロ市近郊へ移る人々の波に抗しきれず、一方で村人は町へ向かっていくのだ。
節目の式典には三百人を超える人が集まった。人によっては、長い人生のほんの一瞬の滞在。それでもかつての故郷を訪れる。皆が福博に寄せる思いを感じた。
特別な一日が終ろうとしていた。「何年後かに来たら、この学校はあるでしょうか」―日語校生徒の発表で一人の少年が話した、少したどたどしい日本語。でも、その意味の深さを思い、胸が熱くなった。 (ま)
2006/09/27
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