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ルーラ候補の続投揺るがず=大統領選=一次投票で当選か=スキャンダルの打撃を回復=独走のまま逃げ切り

2006年9月29日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】十月一日の投票を控え総選挙は最終レースへ突入したが、大統領選挙の世論調査によると、現職のルーラ候補が一次投票で当選を決める勢いをみせており、続投は揺ぎない情勢となっている。IBOPEの最新世論調査では、ルーラ支持は個人データ買収スキャンダルで一次落ち込みを見せたものの、その後盛り返し、有効票五三%と一次投票で当選を決めるとの結果が出た。ダッタフォーリャも同様の結果となった。仮に決選投票となっても五二%の得票で逃げ切るとの予想になっている。
 IBOPEがテレビ局グローボの委託で、二十四日から二十六日までの二日間、二〇〇都市の三〇一〇人を対象に調査した結果、ルーラ候補は四八%、アウキミン候補は三二%となり、前回の調査(二十日から二十二日)より上下一%ずつの結果となった。
 ほかの候補の支持率に変化は見られず、エロイザ候補は八%、ブアルケ候補は二%、ランジェル候補は一%(これ以外の候補は数字で表れず)で、ルーラ候補と他候補の総合は五%の差となった。このためルーラ候補の有効率は五三%と過半数を超えて、一次投票での当選を決めるとの見方が強まった。調査の誤差範囲が上下二%になっていることから、最低でも五一%となる。
 前回の調査ではスキャンダルの影響でルーラ候補が二ポイント下げて、逆にアウキミン候補がこれまでの最高支持率となる三三%に引き上げて、ルーラ候補の有効率を五〇%として決選投票の可能性を濃厚にした。しかし、ルーラ候補にとって致命的と思われたデータ買収スキャンダルはサンパウロ州や南部地区で反響はあったものの、ルーラ候補の地盤の北部や北東部では、政治に無関心でスキャンダルを知らない選挙民がほとんどで、何ら影響を及ぼさなかった。
 今回の調査では、サンパウロ州でルーラ候補は前回の三七%から三四%へと三ポイント落とした。逆にアウキミン候補は四二%から四四%へと二ポイント伸ばし、その差を一〇ポイントと広げた。南部ではアウキミン候補は四六%から四八%とし、ルーラ候補は三四%から三〇%となり、その差は一八ポイントとなった。
 しかしルーラ候補は北部および中西部で十二ポイントのリード(四九%対三七%)を見せ、その上で地盤とする北東部では五二ポイント(六九%対一七%)という決定的な開きを見せた。
 この原因として関係者は、北部や北東部ではスキャンダルが行き渡らず、野党側の宣伝不足(攻撃不足)と指摘している。スキャンダルに無頓着な選挙民が南部と比べ三倍に達するといわれていることから、スキャンダルを浸透させるべきだったとしている。この時期にアウキミン陣営がサンパウロ州や南部での選挙運動に集中したのも原因だとしている。
 IBOPEの複数回にわたる調査で、ルーラ候補は昨年十二月にセーラ前サンパウロ市長(サンパウロ州知事候補)を仮想敵とした調査では三七%対三一%で敗れたものの、アウキミン候補が対立候補となってからは一度もリードを許さず、三月には四三%対一九%にまで差を広げた経緯がある。そのまま独走態勢でゴールインするとの見方が強まっている。
 しかし続投となってもルーラ大統領には今回のスキャンダルで司直の手が延びており、今後も予断を許ない日が続くことになる。選挙高裁は二十七日、スキャンダルによる工作で恩典や有利な立場になる候補者が罪になるとの見解を発表、さらに追及していく構えを示している。