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かき入れ時のオモチャ業界=目玉は高価ハイテク商品

2006年9月29日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】十月十二日の「子供の日」を前にオモチャ業界はクリスマスと並ぶかき入れ時とあって、売らんかなの意気込みにあふれている。
 子供の日は古くから制定されていたが、たまたまヨハネ法王がこの日に来伯したのを記念して「ノッサ・セニョーラ・ダ・アパレシーダ」としてカトリック祝祭休日となった。しかし一般的には子供の日として祝い、催し物も多い。国内オモチャ工業協会によると、子供の日商内で、今年は一〇億レアルの売上げを予想している。昨年対比四%増となる。
 国内のオモチャ製品は約一億種類あり、そのうち七〇%は価格が三〇レアル以下となっている。しかし今年は高価なハイテク玩具(スマート・トイと呼ばれる)の売上げが急増すると予想され、メーカーや輸入商は目玉商品として注力している。メーカーはこれまでの一〇〇%国産主義を廃止して、自身が外国製品を輸入したり、部品を輸入して類似品を製造して収益をあげている。これにより過去四年間で利益が倍増したメーカーもある。
 今年は高性能で世界的に人気商品のオモチャが目玉となっている。その一つがiドッグという電動の犬のオモチャで、プレーヤーにデジタル音楽が組まれ、音楽が流れると電気がついて犬が踊りだすもので販売価格はおよそ一五〇レアルとなる。大手メーカーのガリバーでは、世界的に有名なバービー人形の対抗品のブラッツ人形とともに大々的に宣伝している。
 また中国製のペットは子供の声に反応するもので、八四レアルから二五〇レアルとなる、さらにアメージング・アナンダは子供との会話をセンサーでとらえ、八〇〇種類の会話に応じるという。価格は七九九レアルで販売元は五回払いの月賦に応じる。これらは早くも子供たちの話題となっており、親にとっては厳しい子供の日になりそうだ。
 業界では、オモチャ産業の発展は中国抜きでは語れないという。このままでいくと業界は中国製に牛耳られることになる。中国は世界市場の七〇%を占めるオモチャ製造王国で、昨年のブラジルへの輸出は九〇〇〇万ドル(輸入統計に限り)だったが、今年は急増するとみられている。
 業界によると、近年の品質改良は目を見張るものがあり、価格的にも技術的にも国産メーカーは逆立ちしてもかなわないとしている。このため業界は先月、来年から二〇一〇年までの間、中国からの輸入を市場の四〇%までに限定することで中国業界と協定した。これで一応の線引きができたと安堵する筋が多い中で、政府間での協定にあらず、あくまでも紳士協定の枠を出ないことから、中国独自の約束反占を懸念する向きもある。