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大統領選は決選投票へ=29日までお預け=現職、土壇場で支持下げる=政治倫理が争点に

2006年10月3日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】ブラジル全国民の注目が集中した大統領選挙は二日午前〇時三〇分、投票総数の九九・二%を開票の結果、ルーラ候補(労働者党=PT)四八・六五%に対しアウキミン候補(ブラジル民主社会党=PSDB)が四一・五八%で双方過半数に至らず、十月二十九日に決選投票を行うと選挙高等裁判所が発表した。州知事選ではセーラ候補(PSDB)がサンパウロ州で、ネーヴェス候補(PSDB)はミナス・ジェライス州で、ヴァグネル候補(PT)はバイア州でそれぞれ過半数を獲得し当選した。州知事を党別にみると、ブラジル民主運動党(PMDB)が五知事、PTとPSDBが各四知事を既に確保した。
 今回大統領選の投票結果は、ブラジルを真っ二つに割った感がある。アウキミン候補が勝利したのは、サンパウロ州に始まり南部諸州と中央西部、アクレ、ロライマ、ロンドニア州など。ルーラ候補は北東部を始め、リオデジャネイロ、ミナス・ジェライス、エスピリト・サント、パラー、アマパー、トカンチンス、アマゾナスなどの州で勝利した。
 一次選での決着は九月末時点ですでに疑問視されていた。開票結果は当初、ルーラ候補の地盤である北東部地方が順調に進んだため、同候補の快進撃が見られた。しかし、ブラジル最大の票田で、アウキミン候補の地盤であるサンパウロ州が開票されるに至って、情勢は変化した。
 PTとPSDB両陣営は直ちに、決選に向けた選挙作戦に入った。アウキミン候補は二十九日までに、現政権の恥部を徹底的に暴き、清い政治か、それとも汚い政治が勝利を得るか国民に問うという。ルーラ候補はプラナウト宮への再登板が決選へ持ち込まれたことで、誤算を認めた。PTがPSDBを中傷するために行ったデータ購入の際に使われた札束写真の公開も、不利に働いたとみている。
 これまでも、数々の難所を突破したPTである。選挙の直前に起きた不祥事の修復でPTは狼狽しないという。救急車マフィアPLANAM社代表のヴェドイン容疑者とPTは、政敵PSDBの暴露材料を取引したことをマスコミにすっぱ抜かれ、党の体質が疑われた。決選投票では、政治倫理が問われる選挙になりそうだ。
 大統領選は他にエロイーザ候補(自由社会党=PSOL)が六・八五%、ブアルケ候補(民主労働党=PDT)が二・六五%、以下は一%にも達しなかった。
 州知事で過半数を獲得し当選を決めた知事は、他に次の通り。アマゾナス州のブラーガ候補(PMDB)、アクレ州のマルケス候補(PT)、ロンドニア州のカソール候補(社会大衆党=PPS)、ロライマ州のソウザ候補(PSDB)、アマパー州のゴエス候補(PDT)、マット・グロッソ州のマギ候補(PPS)、マット・グロッソ・ド・スル州のプシネリ候補(PMDB)、ピアウイ州のジアス候補(PT)、セアラー州のゴメス候補(ブラジル社会党=PSB)、アラゴアス州のヴィレーラ候補(PSDB)、セルジッペ州のデッダ候補(PT)、E・サント州のアルトゥング候補(PMDB)、連邦直轄区のアルーダ候補(自由前線党=PFL)など。