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前途多難な次期政権=世界経済減速の中で成長

2006年10月3日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】ルーラ候補であれアウキミン候補であれ、次期政権を担う大統領は世界経済の減速という逆風の中で経済成長を実現するという、困難な課題に直面することになる。
 国際通貨基金(IMF)の予想では、二〇〇七年のGDP(国内総生産)成長率の世界平均は四・九%で、〇六年(九月時点の予想)の五・一%より〇・二ポイント低下、先進国平均は三・一%から二・七%へ、新興国平均は七・三%から七・二%へ低下するという。
 エコノミストらは、たとえ世界経済の情勢が良好であったとしても、ブラジルの経済成長が他の新興国の平均並みに追いつくには今後数年間はかかるとみており、成長を実現するには、重税や高金利といった構造的問題を解決する必要があると指摘する。一九八四年から二〇〇三年までの二十年間のブラジルの平均成長率は二・六八%、現政権の間に二・八一%、中銀は〇六年の成長率を三・五%と予想している。
 一方、低成長が続く中、ブラジルは国際的変動に対する抵抗力をつけたとみるアナリストもいる。輸出の増加と経常収支の黒字拡大がそれで、輸出は〇三年の七三〇億ドルから〇五年には一一八三億ドルへと急増、経常収支は九八年に三三四億ドルの赤字だったのが、〇三年には一四二〇億ドルの黒字へと転換した。
 世界経済が減速すれば、ブラジルを含む各国の輸出が停滞し、コモディティ(必需農産物)価格も低下すると予想され、輸出一本槍ではなく国内市場の成長に軸足を移すことの重要性をエコノミストらは訴えている。