【既報関連】一日に投票が実施された統一選挙では、日系候補のうち二州から四人が連邦下院議員に、三州で四人が州議会議員に当選を果たした。一度に四人の連邦議員が誕生したのは、近年なかったことだ。
中でもパラナ州では、現職のヒデカズ・タカヤマ下議(PMDB)、ルイス・ニシモリ州議(PSDB)が再選したほか、前クリチーバ市長のカシオ・タニグチ候補(PFL)、二〇〇〇年までパラナバイ市長をつとめたアントニオ・テルオ・カトウ候補(PMDB)をあわせ、連邦、州に四人の代表を送り込んだ。
小林パウロ下議の死去以来、唯一の日系連邦議員として活動、再選を果たしたタカヤマ下議は、四人の連議誕生について「日系人がブラジリアで力を得た」と評価。「こうした新しい力が、ブラジルをより良く、発展させることにつながると思う」。
クリチーバ市長として手腕を発揮したタニグチ氏は、正直や規律といった価値観の重要性を挙げながら、「日系社会の代表をブラジリアに出したことには大きな価値がある」とコメント。州議に当選したカトウ氏も「日系人の持つ良いイメージが、(同州で)四人の日系候補当選につながったと思う」と話し、州北西部での教育プロジェクトを推進する考えを示した。
連邦、州にそれぞれ二人ずつ代表を送り出したパラナ日系社会。二年後に迫ったブラジル日本移民百周年に向けた縦のつながりが強化された格好だ。
パラナ州議に再選したルイス・ニシモリ氏。パラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ)の会長でもある同議員は、同州選出の日系四議員で百周年に向け協力していくと発言。日系候補の当選がなかったサンパウロ州議選挙については「残念なこと」としながらも、同州選出のワルテル・シンジ・イイホシ(PFL)、ウィリアン・ウー(PSDB)両氏と連携していく考えを示した。タカヤマ下議もまた、「他の日系議員とともに百周年に向け働きたい」と話す。
サンパウロ州から下議に当選した二候補は、ともに連邦議員初挑戦での当選。
「当選は日系社会のおかげ」と語るイイホシ氏は、「日系の政治家は今も正直、真面目なイメージがある。それが助けになったと思います」。
「責任を感じる」と、サンパウロ市議から当選したウー氏。「どこの町を訪れても大きく迎えてもらった。これも日系社会の強さのおかげ」と話す。一方で、「本当に祝うのは、二十九日(決戦投票の日)が終ってから」と気を引き締めた。
4州で8人が当選=日系議員よろこびの声=統一選
2006年10月4日付け