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ガロチニョ前知事アウキミン支持を表明=呉越同舟のア陣営=リオ州の複雑な政治地図=連立取引で色焦る倫理

2006年10月5日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】リオデジャネイロ州のロジニャ・マテウス知事と夫君のガロチニョ前知事は三日、大統領選の決選でアウキミン候補を支持する意向を正式に表明した。PMDB(民主運動党)リオ州支部は、州知事選に立候補したカブラル氏がルーラ大統領(PT=労働者党)支持を表明しており、これにより同党が二分したことになる。知事夫妻とはライバルであるリオ市のマイア市長(PFL=自由前線党)は、アウキミン陣営の選挙参謀を務め珍客の参加に業を煮やした。アウキミン候補は三日、サンパウロ市事務所にテメルPMDB党首を伴ったリオ州知事夫妻の来訪を受け、支持表明に謝意を表した。
 リオデジャネイロ州のアウキミン陣営を構成する連立協定は、ガロチニョ夫妻の参入で戸惑いの色を見せた。同知事夫妻の支持は、アウキミン候補の呼びかけではない。しかし、政治的駆け引きを含まないことを条件に容認した。呉越同舟も楽しからずや。
 アウキミン陣営の連立関係は、複雑である。PMDBは主流派が、アウキミン支持。反主流派がルーラ支持へ。PDT(民主労働党)は、サンパウロ州支部がアウキミン支持。PFLは支持の意向で接触したが、ボルンハウセン党首は欠席し旗色を表示しない。
 リオ市のマイア市長は、知事夫妻のアウキミン接近で政治倫理が色焦ると懸念した。またリオ州知事選でカブラル候補の対抗馬として決選に臨むフロサルド候補(PPS=国民社会党)は、アウキミン候補の支援を要請し、政界地図が微妙に入り組んでいる。
 州知事夫妻は、ブラジルの最大党PMDBの内部事情を熟知している。党勢をアウキミン色に塗り替えるに同夫妻は、自信があるらしい。テメル党首も既に当確を決めた知事や上下議に、アウキミン支持キャンペーンを張ると言質を与えた。党首が音頭を取っても、同党のカブラル候補には影響はないという。
 選挙事務所を訪れる千客万来の支援グループを、アウキミン候補は迎えいれている。支援を要請したわけでもなく、政治取引をしたものでもない。しかし、同候補の政治信条に従い、素性は質す。これまでの前歴や人間関係、正体と素顔を調べる意向である。
 リオ州のアウキミン票は、二八・八六%と低調であった。これが同知事夫妻を迎えたことで、挽回が期待される。ガロチニョ夫妻のアウキミン支持で根回しをしたのは、テメル党首だ。決選まで時間は少ない。連立工作は、急を要すると党首はいう。同夫妻とライバルであるマイア市長には、ジェレサッチPSDB党首が説得した。
 喉にひっかる小骨は、まだある。ボルンハウセン党首もガロチニョ前知事に、抵抗があるらしい。アウキミン陣営は、犬と猿を抱え込んだようだ。この犬猿の火消し役は、ジェレサッチ党首が担当する。
 ガロチニョ前知事は一九九八年、政治は素人に等しい妻を後任知事に据えた頃までが全盛時代であった。二〇〇二年の大統領選では、四位と陰りを見せた。その後、幽霊会社や実体のないNGO団体に関るなど、馬脚を見せていた。