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銀行ストが長期化の様相=銀行員の半数が賛同=自動支払機などの活用を

2006年10月7日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】銀行の労使間の給与調整問題で妥協を見ないことから労組は五日、全国規模のストに突入した。労使協定が双方の主張に隔たりがあることから、ストは来週も引続き行われる可能性が強く長期化の様相を呈している。
 銀行側および労組側は顧客に迷惑が及ぶことに遺憾の意を表した上で、自動支払機やインターネットの活用を呼びかけている。銀行ストは先週も行われたが、サンパウロ市および近郊では二十四時間の期限付きストで終った。今回のストも各地区労組の見解が、マチマチで全国統一ストとはいかず足並の乱れを露呈した。
 しかし全国四〇万人の銀行員のうち、約半数に当る一九万人がストに参加した。サンパウロ市およびオザスコ市や近郊では、一〇万七〇〇人のうち三万九〇〇〇人が職場を放棄した。
 これにより二〇〇〇ヶ所の営業支店のうち、五一七ヶ所が閉鎖された。サントス市周辺では八〇%がストに参加し、ほぼ営業停止となった。同市中心部の広場で行われた集会で、警備のために出動した軍警と衝突し、一人が負傷するという不祥事に発展した。
 労使間調整は、長期にわたり平行線をたどっている。これまでに七度にわたり団交を重ねているが、結論に達していない。労組側の主張は九月一日に遡り一五〇〇レアルの一率昇給に加え、七・〇五%のインフレ調整と五%の利益還元を求めている。労組側では歴史的な利益のもとで、妥当な線だとしている。
 これに対し銀行側は、今年八月までの過去十二ヶ月間のインフレ率二・八五%の調整、および給与八〇%を対象とした利益還元、さらに八一六レアルの一率昇給を主張している。
 妥協の道のりは遠く、労使交渉は泥沼化の様相を呈していることから、銀行側は全国の宝くじ店や薬局、スーパーなどに設置してある六万九五〇〇の自動支払機の活用を呼びかけている。全国銀行連盟の統計によると、利用客の銀行業務の遂行はインターネットが四五・二%、銀行内の自動支払機が三一%、前出の銀行以外での利用は一〇%となっている。
 このため銀行がストで閉鎖しても、以前のような混乱は起きないと見ている。ただ年金受給者は営業している支店に出向いたら、優先的に応待するよう指示が出ているという。