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ボリビアで労働争議=爆発物と銃撃戦の無法地帯

2006年10月7日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】ペトロブラス・ガス採掘施設の接収と国有化で設立されたボリビア石油ガス公団(Comibol)の付属設備で五日、公団就労者と民間企業就労者の間で衝突、死者九人と負傷者六〇人を出す流血事件が発生した。
 六万人の組合員を抱える同公団労組は、エヴォ・モラレス大統領の強引な国有化宣言で特別な保護下に置かれた。そのため同所で就労する民間企業の就労者との間に不公平な取り扱いが生じ、労働争議の原因となっていた。
 争議の仲裁に入ったボリビア最高裁の介入を、同大統領は植民地時代の手法と批判し火に油を注いだ。ボリビア議会は設立間もなく、法整備がないも同然の状態。労働争議に対し無力である。公団労組員の活動は、行政などの三権機構が組織化される前に政府機関の上に君臨しようとする動きと見られる。
 モラレス大統領は、鉱動相や労働相、官房長官を現地に派遣し事態の収拾を図ろうとしたが、公団労組員は錫鉱山も支配下に治めていた。公団労組員は、その他の鉱山や国道をも爆発物を敷設し遮断した。人権団体やNGOは、政府が鉱山労働者の支持票を擁護し、治安確保に関心がない対応振りを非難した。
 関係者の話では争議の発端は、鉱山から締め出された民間企業の就労者が、鉱山の正門検問所を爆破したことに始まった。この爆破で公団の監督官や治安部隊の兵士が、犠牲になった。爆破のあとには、銃撃戦が付きものである。