【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】アウキミン前サンパウロ州知事(PSDB=民主社会党)が大統領選を決選投票へ持ち込んだことで七日、PSDB執行部はPT(労働者党)と非公式折衝があったことを明らかにした。もしもアウキミン候補が大統領に当選したら、次期大統領選の後釜を狙うセーラ次期サンパウロ州知事やネーヴェス・ミナス州知事の間で、内輪揉めが起きる可能性があるからだ。
ルーラ大統領が一次選で当確を決めていたら、アウキミン候補は一人で傷口を舐めて終わる筈であった。メルカダンテ上議がサンパウロ州知事選に敗れたため次期大統領選では、ルーラ大統領に代わるPTの有力候補がなくなったのも一因。
PSDBの両雄は、時機到来と踏んだ。それは一次当確とタカをくくっていた大統領も、次期大統領選ではPTの誰がセーラ氏やネーヴェス氏と対決するかを懸念したからだ。PTとPSDBの非公式折衝は、バストス法相がセーラ氏と再々接触している。
パロッシ前財務相は、銀行家ゼミの講師に招かれた。その席でPSDBは、議会改革案で政府案に協力する取引をしたことを明らかにした。見返りは、裁判や選挙を政府と公平な立場で行うこと。しかし、アウキミン候補が大統領に当選したら事態は一変し、全ての取引は木阿弥だと前財務相は警告した。
先ずルーラ大統領とセーラ氏やネーヴェス氏の間に交わされた紳士協定は、アウキミン氏によって破棄される。大統領は大統領選を勝つために攻撃目標を、アウキミン氏だけでなくPSDB全員を攻撃対象にする。PT党内で影が薄れていたゴーメス氏とマルタ氏が、PTの看板として大統領に呼ばれたという。
アウキミン大統領が誕生すると、次期大統領選でPSDB候補乱立と前財務相は見ている。アウキミン大統領は、続投を言い出す。セーラ・ネーヴェスは、約束ではないかといい張る。それならオレだってという者も出てくる。アウキミン候補が落ちれば、PTとPSDBの内部協定は有効だが、当選したら番狂わせになると通告した。
アウキミン当選は、PSDBばかりでなくPT、MST(農地占拠運動)、CUT(統一労組)にとっても都合が悪いと議会でも噂らしい。アウキミン決選に持ち込むの報道は、セーラ陣営にもショックだったようだ。アウキミン候補は,PSDBの中でも四面楚歌にあって孤立無援らしい。
PSDB=四面楚歌のアウキミン=大統領当選に煩悶する党内
2006年10月10日付け