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早くも始まった年末商戦=長期月賦を前面に=頭金なしの新車販売も登場

2006年10月14日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】年末商戦とくにクリスマス・プレゼント販売に向けて、早くも熾烈でホットな商戦が始まっている。六月に行われたサッカーのワールドカップで景気は、二日酔いの状態となり七月と八月は連続で消費が減少したが、九月に入って回復気運となった。サンパウロ州商業連盟によると、九月度の月賦販売での信用照会は昨年対比三・五%増に戻ったという。
 この裏には商店や金融機関の年末商戦に向けての積極的なクレジットセールが、例年よりも早く動き出したのが原因と見ている。今年の特徴は月賦を長期化するとともに、第一回支払いを先延べしたり、頭金を抑えることで消費者がこれから手にする十三ヶ月給与に手をつけずに済む。あるいは、別の消費に向けさせることに配慮している。
 例を挙げると、新車を購入するには頭金をわずか一レアル支払い、残りは所得に応じた月賦返済を選択できる制度がとられている。また家屋の修理用の建材は、来年一月からの支払いとしている。年末での散財を避けた家電や家具の支払いも、二ヶ月後から始まるといった具合だ。
 建材の大手小売のテーリャ・ノルテは、九月期販売増となったものの予想以下だったことから、初めての試みとなる第一回目の支払いを九〇日後とし、均等無利子三回払いとした。クリスマス・プレゼントの消費と、重ならないことを配慮した。
 国内最多の家電と家具の販売チエーンを有するカーザ・バイアでは、八月中旬からセールを開始した。第一回目の支払いは、四ヵ月後としている。昨年は十月に開始して支払いは、二ヵ月後だった。また返済額を銀行への給与振込から引落すコンサイニー・クレジットで、十三ヶ月給与からの引落しを免除した。このほかブラデスコ銀行と提携して、自社クレジットカード一八万枚を配布した。これにより、昨年比一〇%の売上増を見込む。
 新車の購入の際での頭金一レアルは、反響を呼んでいる。販売代理店によると、この制度を導入して以来、客の問合せは二〇%増したという。
 二十二歳の男性はこれまでの夢だった新車を購入、一足早いサンタ・クロースの到来を喜んでいる。セルタ車は一括現金払いで二万六〇〇〇レアルだったが、頭金なしの月賦六八七レアルの六〇回払いとした。総額は四万一二二〇レアルと高くついたものの、二五〇〇レアルの給与に見合った買物だと納得している。これにより年末の消費は、抑える方針でいる。