ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は「第四回日本語祭り」を十五日、同センターで開催した。作品コンクールの表彰式、第二十七回サンパウロ日本語スピーチコンテストが行われ、会場は訪れた日本語学習者、保護者らであふれ、立ち見をする人が見られた。切り紙や煎茶のコーナー、紙芝居、アニメ漫画などの催しと古本市やバザーで会場はにぎわい、センター内に展示された日本語の作品からは、学習者の日ごろの成果がうかがえる祭りとなった。
入り口に大きな七夕飾りが二つ。センター内の壁は、サウーデ文協日本語学校の幼稚部が作った、色とりどりの魚や鶴などの折り紙で飾られた。
屋外のスペースには、作品コンクールに参加した絵画作品、書道、作文が一面に展示され、来場者らの足をとめていた。
作品コンクールの表彰式で始まった祭り。百人を越える子供らが訪れ、満面の笑みで表彰状を受け取った。
切り紙のコーナーには絶えず子供たちが集まり、作品作りに熱中。「折り紙よりは珍しいからでしょうね」と担当教師らは話す。キリンや犬、ライオンなど様々な動物が作られていた。
紙芝居は折り紙などを使った手作りのもの。ブラジルの民話「サシペレレ」が演じられた。古本市ではセンターに寄付された本が販売され、小説や漫画を中心に人だかりができた。
午後からはスピーチコンテスト。センターにいた来場者ら百二十人以上が大教室に詰めかけ、廊下から立ち見をする人も。参加者は昨年を大きく上回る二十八人。固唾をのんで観客らが見守る中、身振り手振りをつけて語りかける発表者。表情豊かな表現やユーモアあふれる内容に、何度も会場が沸いた。
日本語センター理事長杯を受賞、全伯大会への切符を手にしたのは弓場みえ・オリヴィアさん(18)。「新たな文化」と題して、弓場農場での「独特」の生活について「誇りに思う」と発表した。
審査委員長を務めた佐藤吉洸副理事長は、「全体的なレベルもかなり向上している。テーマの選び方も生活体験に基づいたものが多くて、よかった」と講評。語彙の選び方や文章の構成、発音に注意を促して「聴取者のマナーもよかった。壇上と会場が一体となったコンテストだったと思う」と話した。
スピーチコンテストの結果は以下の通り。審査員特別賞=平井誠・クーベル「オムレツ作り」。以下一位のみ。【十五歳の部】吉田明「私は日系ブラジル人」【カテゴリーC】矢倉定一「日系人」【カテゴリーB】宮城義和「家に閉じ込められた日」【カテゴリーA】弓場オリヴィア・みえ「新たな文化」。
にぎわった第4回日本語祭り=スピーチコンテストの参加者増加=「レベル向上した」=作品コンクール表彰式も
2006年10月17日付け