コラム
街中の掃除は下層階級の仕事――それがブラジルでの認識なのだろう。
日曜日にサンパウロ市内カショエリーニャで日本人が中心となり、公園の周りの掃除をしている。あまりの汚さに「地面が見えないぐらい」(参加者の声)だった。
掃除を横目に通りすぎていくブラジル人は「政府からお金をもらってくるといい」と他人事。清掃後に振舞われたパステルに浮浪者然とした人々がたかる。「一緒に掃除すれば好きなだけ食べられるよ」との言葉をかけられると、まるで「自分の仕事ではない」とばかりに苦笑いを見せて去っていった。
仕事以外で街を掃除する人が珍しいようだ。個々の受け取り方の差が見てとれる。
「汚れているから掃除する」。自分の家だけでなく街中も同じ。そして「汚れるからゴミを捨てない」。そんな感覚がもっと浸透していけばいいと思った。 (稲)
2006/10/17
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