【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】救急車CPI(議会調査委員会)のビスカイア委員長(PT=労働者党)は十六日、ヴェドイン調書の購入資金一七五万レアルが違法資金であることをほぼ確認と声明を発表した。同調書は、野党を攻撃する根拠となるものであった。CPIは資金の出所を調査したところ、正規の金融ルートでは判明しないため、違法資金混在と疑った。大統領はベルゾイニ前党首に同調書の入手経緯を追求したが、説明できないため党首を解任し問題のもみ消しを試みた。大統領は決選投票に臨むため、同調書と直接関りがないことを証明しようと苦慮している。
決選投票を前にルーラ大統領は、犯罪組織との関りを裏付けるヴェドイン調書で足を取られそうだ。選挙を目前に控えた決選前夜、じゅうたんを引っ張り大統領の足をすくう野党の作戦と、PTは見ている。
党首の任を棒に振ったベルゾイニ前党首は、同件にどこまで関ったか連邦警察で供述する。またバストス法相は同調書問題を大統領選挙と切り離し、大統領周囲への捜査阻止のため奔走している。
一方、PSDB(民主社会党)とPFL(自由前線党)、PPS(社会大衆党)からなるアウキミン陣営は選挙高等裁と連警、全国弁護士協会(OAB)へ、政治と犯罪の関係について徹底解明を求める方針。同陣営は、三機関に密着捜査を求めた。
アウキミン候補の選挙対策本部は十六日、ルーラ再選阻止とスキャンダル関与で新戦術を導入。調書購入資金の調達指揮官で大統領元護衛官ゴドイ氏の口座開示を、なぜ法相は阻止したか。連邦警察は、なぜ政治警察として振舞ったか。OABは、これら一連の行動を監視するなど。
アウキミン陣営は選挙高等裁へ、調書事件に関与した政府管理職、法相や刑事から刑務官に至るまで全員召喚を要請した。特に法相によるゴドイ氏弁護は、不正行為の仲介として疑われている。法相の奇怪な行動は、前財務相を告発した元管理人の封じ込めにも関与した疑いがある。
セーラ候補の引きずり降ろしでヴェドイン調書を画策したパッソ氏とエスピノザ氏、フロイド氏三人を引き合わせる労をとったのは法相だ。連邦警察を政治警察のように指揮したのも法相。いつからブラジルの警察は、ファッショのお先棒担ぎになったのか。
ジェレサッチPSDB党首とフレイレPPS党首、ボルンハウセンPFL党首は十七日、連警にラセルダ総監を訪ね、連邦警察の趣旨から外れないよう警告。法相は連警の元締めとして信用できないことを訴え、OABを監視役として任じることも進言した。
さらに三党首は選挙高等裁へ赴き、連邦政府が国家予算を選挙運動に利用するのを監視するよう要請した。連邦政府は十三日、一〇億レアルでマット・グロッソ州のマジ知事の支援買収の容疑がある。フレイレ党首は、裏金を入手した同知事の引責を命じた。
「救急車CPI」調書購入で違法資金調達=連警が政治的振舞い?=ア陣営、終盤戦へ猛追求=バ法相を吊るし上げか
2006年10月18日付け