ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 海外からの投資が減少=対伯直接投資は17%減=世界的上昇の中で唯一逆行

海外からの投資が減少=対伯直接投資は17%減=世界的上昇の中で唯一逆行

2006年10月18日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】開発途上国を始めとする世界的海外投資が上昇している中で、その流れに逆行してブラジルは唯一減少、海外の信用度が失墜している。
 国連機関UNCTADがこの程明らかにしたもので、ブラジルへの海外からの直接投資は二〇〇四年で一八〇億ドルだったが、二〇〇五年は一五一億ドルへと一七%の減少となった。今年は一四八億ドルと見込まれ、さらに二%の減少となる。
 世界グローバルでは景気回復により二〇〇四年から二〇〇五年にかけて二九%の上昇となり、今年は二〇%増が見込まれている。
 開発途上国の平均も二〇〇五年で二二%と、ブラジルを上回った。にもかかわらずブラジルは世界ランキングで一四位に位置し、ラテンアメリカ国内ではメキシコ(一三位)に次いでいる。しかしアジア諸国(シンガポール、香港、中国など)には、大きく水を開けられている。
 とくに海外で注目され、投資が集中してランキング三位に進出した中国とは、ますます格差が広がっている。二〇〇〇年の時点で中国への投資は四一〇億ドルだったのに対し、ブラジルのそれは三四〇億ドルと大差はなかった。しかるに二〇〇五年の中国は七五〇億ドルとなり、ブラジルの五倍を記録した。
 アナリストによると、ブラジルとアジア諸国との違いは投資対象にあるという。アジアでは教育に重点を置いており、これが技術革新につながり国家発展の要因となっている。アジアでは二〇〇五年に一六五〇億ドルの投資が流入、前年比二〇%増となった。
 南米諸国も経済成長を反映して、二〇〇五年の直接投資の平均は二〇%増を見た。コロンビアは二二七%、ベネズエラは九五%、ウルグアイは八一%、エクアドルは六五%、ペルーは六一%、わずかにアルゼンチンが九%でブラジルの上昇率を下回った。
 海外からの直接投資で二〇〇五年度の世界ランキングは、トップが、英国(一六四五億ドル)で以下順に、米国(九九四億)、中国(七二四億)、フランス(六三六億)、オランダ(四三六億)、香港(三五九億)、カナダ(三三八億)、ドイツ(三二七億)、ベルギー(二三七億)、スペイン(二三〇億だった。