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VWとGMに再建資金=両本社が増資決定=積年の赤字解消に向け発進

2006年10月19日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】経営不振が続き再建を模索していた自動車メーカー大手のフォルクスワーゲンとGMのブラジル会社に対し、それぞれの本社が追加投資を投入することを決定した。これにより両社は当面の危機を脱出し、再建に向けて動き出すことになる。両社は基幹産業の中枢を担っており、関係者が経済的影響はもとより、解雇などの社会波及も大きいことから、一様に安堵の色を浮かべている。
 サンパウロ市アニェンビー展示場で十九日から一般向公開が始まる国際自動車ショーは内外のメーカーから四〇〇台が展示され、二十九日までの会期となるが、両社の追加投資の決定ニュースは同展示場で十八日明らかにされた。
 フォルクスワーゲンはドイツ本社が二五億レアルの増資を決定、これにより八年間続いた赤字を解消できるとの見解を示した。現地会社によると、本社の増資承認は、合理化案とともに労使間の妥協が前提条件となっていたことで、労使交渉が平行線をたどり、それが原因で遅れたという。
 最大のネックとなったのは会社側が二〇〇八年までに六〇〇〇人の人員整理を打ち出したもので、その待遇や条件で折合いがつかず、結局団交は四か月以上を費やした。
 この間、産業開発銀行(BNDES)のつなぎ融資も見送られ、工員がストを決行するなど最悪の事態を迎え、会社側は主力工場であるサンベルナルド市のアンシェタ工場の閉鎖もほのめかした。その後の労使交渉で歩み寄りが見られ、妥協に達したことで本社側も増資に応じた。
 この資金援助をもとに同社では来年、二台の新モデルを生産すると見られている。具体的な発表はないものの、アナリストらは国内向けに安価な大衆車を狙っていると見ている。輸出が採算割れとなっており、国内戦略を強化してフィアットに追い越された市場を奪回することを第一目標にすえるものと見ている。
 いっぽうでGMは、本国本社が二億一四〇〇万レアル(一億ドル)の増資に応じた。当初の予定は五億レアルだった。同社ではこれにより、技術部門の革新で新しいモデルを二〇〇七年に発表する。さらに二〇〇九年と二〇一〇年には、それぞれ一〇億レアルの追加増資を引き出したいとしている。