コラム
先日とある俳句大会へ。参加者は七十代後半の一世が中心。全伯中の俳句愛好者、約九十人が集まり賑やかだった。
ここで、ある関係者から「実は毎年十人ずつ参加者が減っている」と聞いた。昔は数百人が会場に集まったという。
「まだ大丈夫だけど、いずれ俳句はブラジルからなくなる」。こう話を続けた。だが、なぜか表情は明るい。
というのも最近、ポ語による「HAIKAI(俳諧)」が広まりつつあるからだ。季題や五・七・五の形に囚われない三行詩で、ブラジル人の教師や医者などに人気を集め始めているという。
「運命だけど、こうやって日本語を媒体にした文化は形を変えて残っていくよ」。その言葉には哀しさと嬉しさが入り混じった複雑なニュアンスが込められていた。ただ、この日の賑わいを思えば、まだしばらくは大丈夫だと思った。(泰)
2006/10/19
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