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国内販売に重点を=自動車業界が方針転向

2006年10月20日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】自動車業界はドル安傾向が持続して不満を洩らしながら、今年の輸出は一一五億ドルと見込まれ史上最高を記録すると見られている。これにともない生産も二六四万台と、これまた史上最高が予想されている。しかし国内販売は一九〇万台どまりとなり、これまでの最高の一九九七年と並ぶと見られている。しかし、業界では来年度は二〇〇万台を突破して最高記録を更新するとの予測で一致している。
 この背景には各社とも採算割れの輸出に見切りをつけて、国内販売に注力する方針変換が基となっている。業界では為替政策も期待できず、かつ次期政権が誰になろうとも税制改革は行われないとの悲観的見方が支配していることで、せめて五%の経済成長を維持する政策を打ち出して欲しいと希望している。その上でコスト削減などは業界が主導するとして、政府には頼らないとの立場を取っている。その上で、市場に浸透してきた長期月賦を活用して販売を拡大するとの意向を示している。月賦販売は七〇%の割合となり販売に欠かせない要素となっている。
 フォルクスワーゲンとGMはともに本社からの増資を受けて赤字解消に向けて動き出したが、ともに来年は大衆車販売を目標としている。シトロエンも操業五年間は赤字に直面してきたものの、来年は初の黒字に転換すると意気込んでいる。フォード・グループは南米で今年上半期、二億二九〇〇万ドルの黒字を計上した。ブラジルはこのうち七〇%を占めている。