【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】サンパウロ州カンピナース市のショッピング・センターで十八日夜、警備員が買物に来ていた若者集団に向けて発砲、一人が被弾し死亡する事件が発生して市民にショックを与えている。
警備員と若者らとの間でささいな事で口論となったものの、死亡したモレイラさんはこれに加わらず、バイクで駐車場を出ようとした所を、背後から撃たれた。銃弾は頭部を貫通、被害者は瀕死の状態で、病院に運ばれる途中で息を引取った。
撃った警備員はその場から逃走したが、弁護士によると二十日には自首するとのことで、警察はそれを待って発砲の動機などを追及する。
事件は午後十時二十分ごろ、発生した。被害者の二十六歳の男性ら六人は、ロックショウーの入場券を買うために同市のイグアテミ・ショッピング(サンパウロ市のものと同系列)を訪れ、買い物をすませて帰途につくべく駐車場へ出た。
その折、仲間のうち二人が、交通規制をするために置かれたコーンをいたずら半分に蹴飛ばした。それを見た加害者の警備員が、咎めるとともに応援十五人を招集した。若者らの証言によると、蹴飛ばした二人はコーンを元の位置に戻し謝罪したという。
にもかかわらず警備員らは容赦せず、撲るなどした上で二人を警備詰所に連行した。発砲した警備員が一番興奮しており、同僚に抱きかかえられて暴力を止めさせられたという。
死亡した若者はこの騒動に加わらず、バイクで帰途につこうと発進したところを警備員が何も言わずに発砲した。発砲した三発の銃弾の一発が、頭部に命中した。加害者の警備員は、その場から逃走した。その際、同僚に「何という馬鹿なことをしでかした」と口走ったという。
今回の事件は無抵抗の被害者ということで市民はショックを受けている。その上で警備員の武器携行の是非で世論は二分されている。大半は武器所持は保安につながるとして賛成の意を表しているものの、武器取扱い上の熟練と細心の注意の必要性を指摘している。
ショッピングで警備員が発砲=無抵抗の若者が死亡=警備員の武器携行は是か非か
2006年10月21日付け