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F1帰りのヘリが不時着=乗員6人が負傷=過密飛行でエンジン故障か

2006年10月24日付け

【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】サンパウロ市ブルックリン区で二十二日午後五時半ごろ、民間人所有のヘリコプターが路上の工事現場に緊急不時着し、乗員六人が負傷する事故が発生した。負傷者は近くのシリオ・リバネス病院に収容されたが、いずれも背中などの打撲で、命に別状はなかった。警察で事故の原因を調査中だが、同機がホテルから自動車のF1レース会場のインテルラゴ・サーキットまでピストン飛行を繰返していたことから、過密飛行によるエンジントラブルが生じたものと見ている。いっぽうで事故当時、サンパウロ市上空でかなりの強風が吹き荒れていたことから、突風にあおられて平衝を失った可能性もあると見てパイロットや乗客から事情
聴衆を行う。
 F1レースではヘリによる会場乗り入れが恒例化している。国内外で抜群の人気を呼んでいるレースだけに交通渋滞は極度に達し、会場付近では車両乗入れ規制で徒歩を余儀なくされることから、ヘリによる空のタクシーが繁盛、業界の稼ぎ時となっている。レース主催者のヘリ管理局によると今年は五七機がピストン輸送で客を運んだ。
 不時着したヘリもその例で、インテルラゴからブルックリン区のワールド・トレード・ホテルに向かう途中だった。ヘリは同ホテル手前で失速、隣接するネストレビルの六階付近に衝突した後、フロリダ街とマルジナル・ピニェイロス大通りの角の工事現場に緊急不時着した。目撃者によると、ヘリは大音響とともに墜落、当り一面に燃料が洩れて爆発の恐れがあったという。同機はこれが六回目のピストン輸送で、残り三回が予定されていた。乗客の中には三人の南アフリカ人が搭乗していた。いずれもフェラリのTシャツを着用していたことから、フェラリチームのスタッフかと思われたが単なるサポーターだった。
 過去一年間にサンパウロ市上空でヘリ事故は五件発生している。昨年十一月十一日、マルジナル・ピニェイロス大通りでラジオ・エルドラドの報道機が不時着、エウゼビオ・マトゾ橋の下で止まった。けが人はいなかった。今年三月三日、アルファヴィレ市でヘリが墜落。乗客3人が死亡しパイロットが軽傷を負った。海岸の行楽途中だった。
 四月二十七日にはラッパで、高圧電線検査中のエレトロパウロ社のヘリが墜落し乗員三人が死亡。五月五日にはモジ市で、イタぺチ山中でヘリが墜落炎上しパイロットが死亡。八月十一日にはサンパウロ市ルス区サントス・ドゥモン大通りにヘリがエンジントラブルで不時着、交通量の多い中での決死の強行着陸でけが人はでなかった。