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政権の裏側にライト=暗躍する謎の請負人=PTの裏側支える闇の集金組織=全く事情を知らぬ名義賃貸人

2006年10月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】ヴェドイン調書の購入資金で出所の経路を追った連邦警察クイアバ署のクラード署長は二十五日、米国から送金された二四万八八〇〇ドルをヴィカトゥール旅行社でレアル通貨に両替したのは、名義貸与人でリオ州マジェー市に住む無名の一市民レヴィ・シウヴァと一族七人であると発表した。連警はアジトと目されるヴィカトゥール旅行社を家宅捜査し、関係書類を押収。連警によって拘束された旅行社の共営者は、シウヴァとつながっていたと見られ、関係解明に連警は捜査のメスを入れる。
 レヴィ・シウヴァは、当地の郵便局元職員で名義賃貸の代理人だが事件関与を全く知らない。ノーヴァ・イグアス市のヴィカトゥール旅行社では、外為契約書を交わし名義賃貸の謝礼も支払った。同旅行社は為替業務が法令の求める範囲で行われ、違法行為は一切ないと声明を発表した。
 事情聴取を受けたシウヴァ一族は、サインをしたのが外為契約書で、ドル通貨が両替されたことを全く知らないという。レヴィは事故で身体障害者となり、障害者年金の給付で生活。妻は美容師をしながら家計を支えている。その日暮らしの貧しい一家で、ブラジルに何が起きているか知らない社会疎外者だ。
 しかし、とんでもないことに巻き込まれたことは分かる。事件に関った一族七人は、生命の危険にさらされていることを実感。多勢の報道陣がつめかけ、誰が名義賃貸を依頼したかの質問攻めである。一族の高齢者は、緊張のあまり全身がけいれんした。
 ミナス州オウロ・プレットに住むレヴィの息女ヴィヴィアネが、当地警察の事情聴取で親族の依頼でCPF(所得税申告カード)を貸したことがあると供述した。それがヴィカトゥールの外為契約書に記載されるのは不思議という。親族はCPFを返すとき、謝礼をくれたようだ。
 連警は捜査の収獲に満足した。ラランジャ(名義賃貸人)予備軍は、芋づる式にゴマンといる。CPFを一寸貸せば、給料くらいの謝礼がもらえる。政治資金で動く金額は、旅行社の扱い金額とは桁違いで一目瞭然だ。配下のラランジャを統括し、政治団体との違法取引を仕切る為替業者が、次の標的である。
 ヴェドイン調書を調べるうちにPT(労働者党)の集金システムが、多数の組織連携による膨大なものであることに連警は驚いた。PTには百の顔がある。いま捜査対象となっているのは、リオとミナス、サンタカタリーナの三州である。リオはノーヴァ・イグアスのヴィカトゥールが、拠点となって資金調達の指揮を取っている。
 ヴィカトゥールの背後には、アングラ・マネーと金融マフィアに通じ資金調達の専門家である総指揮官がいるはずだ。これらのネズミは、船が沈む前しか表に出てこない。ルーラ再選がほぼ確実なら、ネズミどもも安泰である。
 ラランジャよりも卑劣なボタンをどこかで掛け違えたようなアラポンガ(渡世請負人)が、PTには多数いて政権を支えている。これら下部組織を使えば、集金も短期間にできる。その資金源は、絶対秘密で口外禁止である。

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