【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】今季の農産物の不作を反映して、来年にかけて食料品の値上げ気運となっており、庶民の台所を直撃する事態を迎えている。年末商戦での散財に加えてのダブルパンチで、各家庭の家計のやりくりが懸念されている。
とくにパスタ類やビスケット製造業界は卸値価格を一〇%値上げする旨、小売店やスーパーに早々と通告。次回出荷分から実施するという。サンパウロ州スーパー協会でもこの事実を認め、早ければ十一月に入って値上げを実施する運びになるとの見解を示している。
旧価格での在庫が薄く、値上げ分は消費者に転換せざるを得ないとしている。このため現在、新しい価格表を作成中とのこと。中でもスパゲッティは今年に入って初めての値上げに直面することで、愛好者にとっては苦い味となる。
米も同様で、不作による供給不足で値上げは必至となっている。業界では値上げ時期と上げ幅について未だ公表はしていないものの、近日中になると見られている。
これを踏まえて前出のスーパー協会は、価格安定を維持するために政府に対して余剰米在庫の放出を申請することを決定した。
パスタ類やビスケットの値上げは、小麦粉の値上げが原因となっている。小麦粉は一般消費者に今月から一五%値上げされているが、加工メーカーには今年に入り、すでに二〇%の値上げが実施された。メーカーではコストの大半を占める小麦粉のほか、植物油脂(一〇%)、労働賃金(五%)、包装の値上げに直面してきた。
この背景には世界の小麦主要産地であるオーストラリアやカナダが凶作で、供給不足に陥ったことにある。とくにブラジルは歴年的に生産が追いつかない状態だったが、とくに今季は小麦不足で、生産が二四四トンと昨季の五三・一%と不振だった。
このほか、コンサルタント会社の調査によると、主要一六食料品の十月度上旬の平均値上げ幅は五・九%に達し、この傾向は続くものと見ている。
食料品が値上げ傾向へ=家庭の台所を直撃=パスタ類は10%の値上げ
2006年10月27日付け