ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 刑務所内で通夜=前代未聞、責任者を処罰へ

刑務所内で通夜=前代未聞、責任者を処罰へ

2006年10月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】刑務所が一転して通夜の場所に・・。前代未聞の措置に関係者の間でひんしゅくを買っている。問題の場所はサンパウロ州グアルーリョス市内のジョゼー・パラダ・ネット刑務所で、服役している犯罪組織の幹部の妻が死去したことで、刑務所の一室が通夜の場となった。
 この幹部はサンパウロ州の犯罪組織のブラジル犯罪革命コマンド(CRBC)に属し、強盗や武器不法所持の罪で一六年の実刑判決を受けて服役中だった。
 刑務所側は葬儀に出席させるには警備不足で、仲間に奪回されるリスクが大きいとして刑務所内に遺体を持ち込み、通夜で幹部に妻と最後の対面をさせたとして、イキな計らいだと自賛している。
 幹部は手錠を外されて妻の遺体の傍らに二〇分ほど居て、独房に戻された。警備員は遠くから見守るだけだった。二〇年以上勤務している警備員は、前代未聞のでき事だと驚いている。
 司法当局と軍警も仰天し、刑務所管理局は声明文を発表し、規則違反の行為だとした上で、真相を追及して責任者を処分するとの見解を示した。