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◇コラム 樹海

 「日信工業新工場をブラジルに建設」「日本精機ブラジルの四輪車用計器工場を着工」「ユタカ技研ブラジル子会社は新工場」などここ数日、日本の二輪・四輪部品メーカーがブラジルに新工場を建設する記事が続々と報じられ頼もしい限りだ▼ところが先日、サンパウロ市郊外の都市に本社を置くある日本企業関係者から、地元日系団体の一部役員が不正行為を働いており、このままでは百周年記念行事に水をさす不祥事になりかねないとの投稿が届いた。「組織運営の公明正大化がなされなければ、日系企業からの理解や支援を得難くなることにつながろう。事実関係の早急な解明と、もし事実であればその是正を促したい」と警告する▼その日本企業は十八年前から社有地を地元日系団体に無料貸与し、地域の日系スポーツ界振興を支援してきた。しかし三年前、その団体役員が施設の休遊時間に非日系人に有償で又貸しし着服していたことが発覚。また、日系団体側が負担するはずのIPTUを長年滞納し、企業を強制取立て寸前にまで追い込んだという。同団体役員らは、同市役所の日系幹部に頼み込んで免税書類を発行してもらったが、その書類が不正であることが最近表面化したとか▼ことの真偽は明らかではない。しかし、日本との経済交流が再活性化し企業進出が増えている時期だけに、むげにはできない投稿だ。事実なら、日系社会と進出企業との間にヒビを入れかねない▼一方、二十三日のブラジル通信によれば、サンパウロ州の楽器メーカーで働く日本人上司に「お猿さん」呼ばわりされたブラジル人部下が慰謝料請求した裁判で、三十最低給の支払いが命じられた▼正すべきは正す──姿勢こそが万人に求められている。(深)

2006/10/27