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「大統領弾劾はない」=前大統領、不正必罰を強調

2006年10月28日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】カルドーゾ前大統領は二十六日、ルーラ大統領が再選された場合、弾劾告発に踏み切る動きがあるとして、それはクーデターであり自分が意図したものではないと言明した。選挙結果がブラジルの将来を憂慮するものであっても、国民が選んだ道であるという。
 Bandテレビ局のニュース番組で記者会見に臨んだ前大統領は、選挙のみそぎを経て大統領に再選されても、国民が数々の不正行為を許したわけではないと警告した。不正行為は、罰せられることを忘れてはいけないという。
 国民が事実を見てしまった今、PT(労働者党)と何の関りもない純朴な市民を食い物にして違法資金で大統領席を買収したことが、どうしてごまかせるか。国民の口を封じるために無実の人間を葬り、何もなかったかのように一件落着とするのか。ルーラ大統領は巧みな話術で、国民を翻弄したのだと語った。
 PSDB(民主社会党)は公社の民営化などで、紆余曲折するブラジルの政治を是正する熱意と信念に欠けた。政治倫理の是正は選挙後の課題として、PSDBは見識ある政党であるため労組や宗教界、有識者に直結した党の構造改革が急務であるとした。
 一方、前大統領から酷評されたPTは、例の皮肉戦術で報復した。ジェンロ憲政相は記者会見を、電車に乗り遅れた前大統領の引退声明であり降伏宣言であると評した。ガルシアPT党首は、「博士号を持ちブラジルの良識だとして最高権威を自認するバカな政治家がいる。そんな政治家を支持するのは、無学な有権者だけである」と述べた。