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◇コラム 樹海

 選挙は投票箱の蓋を開けて見ないとわからない。確かに―一般の予想を裏切るような結果がでることもある。軍事政権の下で大蔵大臣として活躍し「70年の奇跡」を生んだデ・ネット氏が落選しみんながアッと驚いた。弟子筋にあたる日系人を政府要職に抜擢し財政と金融政策の指揮官にし大きな成果を上げアジアンポ―トを提唱したりもした▼その一方では1億2000万ドルを不正に海外送金したとかのマルフ氏が最高得票で堂々と当選。政治献金で大揺れし辞職に追い込まれたコ―ロル元大統領も晴れて上議になり中央政界へ見事なばかりの復活である。が、こうした異常に首を傾げるご仁も少なくはない。と、選挙に絡む話は面白いが、あす29日の決選投票はどうなるか?である。現職のル―ラ氏は強く、アウキミン氏が追うけれども「肉薄」にはちょっと遠い▼いろんな調査結果では、ル―ラ氏を支持する者は多く、アウキミン候補との差は約20ポイントもある。これら調査の精度はかなり高い。米の世論分析家・ギャラップが開発したものであり正確さには定評がある。1936年の米大統領選挙で2000人を対象とした調査でル―ズベルト当選を発表し話題になった。選挙結果は、この予測通りであり、数は少なくとも正確なサンプリングが行われれば、母集団の特性がつかめることを実証し、現在では60を超える国々の世論調査に採用されている▼恐らく―ル―ラ勝利は固いのではないか。PTや側近腐敗と非難されるべきはあるが、貧民救済などの福祉政策の効果がやはり絶大と捉えたい。    (遯)

2006/10/28