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天然ガス問題が決着=ボリビアに押し切られる

2006年10月31日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】ボリビア政府の天然資源国有化にともない、同国内での去就が焦点となっていたペトロブラス(ブラジル石油公団)は二十八日、天然ガスおよび石油プラントの経営権をボリビア国営石油公団(YPFB)に売却することを決定した。
 これにより同国内にある二プラントの過半数の株はYPFBに移譲され、ペトロブラスは経営権を失うとともに、技術供与やサービス、修理部門を請け合うにとどまる。五月一日に国有化を宣言したボリビア国会が、六ヵ月を期限として具体案をまとめることを制定。これを受けてボリビア側が経営権譲渡を主張してきたもので、ブラジル側は押し切られた形となった。
 しかしこれにより、二〇一九年までの天然ガス供給の契約は履行される。ペトロブラス総裁は、一日当り三〇〇〇万立方メートルのガス供給が途絶え、不足に陥る最悪の事態を避けるための選択肢だとの見解を発表した。これにより今後、行われるガス価格交渉を有利に進めたいとの意向を示した。
 ボリビア側の一方的主張にブラジル政府は、国際裁判所への提訴も辞さないとの構えを見せたが、ペトロブラスの決定を承認した。腰くだけ外交との批判もある中で、ロウセフ官房長官は友好外交の一環だと強調している。