【エスタード・デ・サンパウロ紙十一月二日】ルーラ大統領は一日、パロッシ時代最後の砦とされるメイレーレス中銀総裁への辛辣批判に対し、通貨政策は妥当であったと弁護に努めた。インフレを抑制し健全財政の柱となった通貨政策は、正解であったと経済諮問会議で強調した。
大統領は一期の財政政策を変更することなく、経済成長を成し遂げるよう求めた。経済成長を旗印とする財務相を始め官房長官や産業開発相、予算管理相の一派は、経費削減と民間投資への免税、インフラ投資、行政改革の四点で大統領の言質を求めた。
大統領は中銀の高金利政策と経済成長派の板ばさみになっている。中銀総裁は記者団にルーラ大統領再選の功労者は、インフレ抑制に努めた総裁であることを自己宣伝した。大統領も内閣改造に先立ち、政府内で火花を散らさないよう関係者に自制を求めた。
経済政策で最終判断を下すのは、大統領である。巷間で噂する基本金利の思い切った切り下げはないと否定し、均衡収支と財政黒字、インフレ抑制は従来路線を踏襲と強調。公言としての「パロッシ時代の終焉」発言を禁じた。
古典経済終焉を唱えた火元であるジェンロ憲政相は、大統領とのヨリを戻すことで詰め腹を切らされた。インフレ抑制が庶民の懐を暖め、ルーラ再選につながったことを認めざるを得なかった。
安定経済は安定が目的ではなく、経済成長のための安定だと大統領はいう。安定経済の中でのみ、所得の再分配が行われるのだと強調した。経済成長を犠牲にしたインフレ抑制を、ブラジルは既に超越したと大統領は見ている。
中銀批判にものいい=大統領、インフレ抑制策は正解
2006年11月4日付け