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◇コラム オーリャ!


コラム 

 第五十二回レジストロ灯篭流しは、始まる前に、台風のような強い風と大雨に見舞われた。
 雨マークしかついていない天気予報から予想できたことだが、サンパウロからバスで出かけていった面々にも憂鬱な表情が浮かんでいた。
 山積みになった灯籠は水浸し。壊れてしまったものもある。「花火もないんだろうな」とげんなりする気持ちが湧きかけた。・・・そんな時。
 「これは神様のお申し召しだからしかたないって」「誰のせいでもないからな」。カラッとした笑顔で文協の役員たちが笑った。この夜のために半年がかりで準備を進めてきたはずだ。
 雨の中、「どうせ濡れたし」とばかりにリベイラ川に飛び込んで遊ぶ子供たちの姿もあった。
 「逆境に強い」というか、「心に余裕がある」というのか。その前向きさに塞いでいた気持ちが晴れた。    (稲)

2006/11/07

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