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秋篠宮さまに和太鼓献上=パラグアイ=通じたイグアス移住者の思い=〝ためし打ち〟される場面も

2006年11月11日付け

 去る一日から四日までパラグアイをご訪問された秋篠宮殿下にイグアス移住地の総意が込められた飾り太鼓が献上された。この和太鼓はイグアス太鼓工房(石井吉信棟梁・山形県出身)で作られたものだ。
 殿下のご来訪日程が決まった時、一九七八年の思い出がイグアス移住者の脳裏をよぎった。当時、皇太子・同妃だった天皇皇后両陛下のご巡幸の思い出だ。両陛下お手植えのラパチョ(ブラジル呼称イペー)と桜は二十数年を経た今でも移住地の中央公園で健全に育っていて、毎年美しい花を咲かせている。
 〃今度は秋篠宮殿下がご来訪される。悠仁(ひさひと)親王殿下がご誕生になった。わが移住地から和太鼓を献上させていただこうおなじ〃、という意識が移住地で盛り上がり、献上用の飾り太鼓が精魂込めて作られた。
 イグアス産の和太鼓は十一月二日、パラグアイ日系移住社会による歓迎会場となったアスンシオンの人造りセンターで移住者が作った他の農工産品とともに展示された。
 和太鼓の前で足を止められた殿下は演奏用の法被姿の澤崎琢磨さんに、「材はどんな木ですか?」「この木は太鼓にどうですか?」「この皮は牛(の皮)ですか?」、などと興味深くご質問された。そして、「叩いてみていいですか?」、とバチを手にとって打つ感触を味わわれた。
 展示品をすべてご覧になった後、飯野建郎大使の介添えで飾り太鼓の献上を快くお受けになった。
 和太鼓を通してパラグアイ日系社会の総意が汲み上げられた、と言っても過言でないような明るい一場面だった。