コラム
みんな野球をやっていたんだな――。先週のパウリスタ野球連盟六十周年式典。会場のそこここに、今まで取材で出会った人達の顔を見かけた。
出席者の九割以上は日系人。コロニアにとって野球がどれだけ大きな存在だったかを想像した。
かつては州内それぞれの日本人集団地にチームがあり、移住地によってはさらに地区ごとのチームがあったと聞いた。全伯大会は「甲子園のようなものだった」とも。
「みんな野球が好きだった」、年配の出席者は口をそろえる。数キロ歩いて練習に行き、くたくたで歩いて帰る。トラックに揺られて試合へ行った思い出。「技術的には今の方が高いけど、盛んだったのは昔の方」という言葉が印象的だ。
喜寿を過ぎなお背筋を伸ばした往年の野球少年たち。移民のスポーツをブラジルに根付かせたその努力を思いながら、過ぎ去った〃古き良き〃時代に思いをはせた。(ま)
2006/11/14
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