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5%成長は17年以降=IPEAが爆弾宣言=電力供給と投資不振尾を引く

2006年11月15日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】ブラジルの五%以上のGDP(国内総生産)成長は二〇一七年以降にしか達成できない―。爆弾宣言を行ったのは応用経済研究院(IPEA)で、ジアンビアジ氏とレヴィ氏の両エコノミストが中心となって現状分析を行った結果による。
 同院によると、GDPの二〇%を占める電力業界および投資の不振が経済成長の大きな壁となっており、短期ならびに中期的に三・五%以上の達成は困難で、安定成長は二〇一〇年の半ばに持ち越されるとしている。もしそれ以前に四%成長すると電力が能力以上に供給される事態となり、大停電が発生して国内機能はマヒすると警告している。
 これに対し政府側は猛烈に反発、マンテガ財務相は五%成長は可能だとし、その条件は揃っているとの考えを強調した。ベルナルド予算管理相は、短期成長のプランを作成してルーラ大統領に提出する矢先だとし、改革案を盛り込んでおり、大統領も承認するだろうと自信の程を見せた。
 両エコノミストは経済成長には金融および経済政策の改革が必須条件だと指摘している。これは各業界がこれまで指摘してきたにもかかわらず成果が挙がらなかったもので、一つはGDP対比での公共債務の削減、このほか金利の引き下げ、税制改革、投資の増加を挙げている。これらは短期的に是正は困難であり、第二期ルーラ政権で土台を築くことで、二〇一〇年以降に効果が表れ、安定成長は二〇一七年ごろになるとの結論に達したと説明している。
 さらに改革案の細かいところでは、公務員の人件費の削減に加え、保健省の予算増が必要だと説いている。変わったところでは通貨審議会(CMN)を中銀から切り離して官房長官管轄下に置くべきだとしている。
 通貨政策は大統領が決定すべきもので、これにより大統領直轄とするのが狙い。これと平行し、通貨政策審議会(COPON)に財務省官吏をメンバーに加える必要もあると主張している。
 いっぽうで中銀の調査によると、金融界では経済成長の兆しが見えないことから、今年のGDP成長の予想をこれまでの三%から二・九七%へと下方修正したことが明らかになった。これにより中銀が予想している三・五%とは程遠く、初めて三%台を割った。